スタディ - 留学・英会話
High School/Preparatory Programsin Canada.
A Guide for Students and Parents.

親子で読む高校留学準備情報

 

高校留学成功の秘訣

高校留学が与えてくれる可能性は限りなく大きい。
親元を離れた外国での生活を通じて、生徒はそれぞれにひとり立ちする強さを身に付け、大きく成長してゆく。また、日本の社会とは違った価値観や生活観に目覚め、国際人としてのたしなみも体得する。
しかし、高校留学を成功させることは容易ではない。教師同伴で行う交換留学や、夏休みなどを利用して行う短期留学とは本質的に違い、本人の自覚はもちろんのこと、周囲の協力や準備が不可欠だ。
それでは、高校留学を成功させる基本条件とは何だろうか?


高校留学成功の基本条件その1

留学は良く考え自分の意志で決定する。
高校留学に失敗する人のなかには、親の希望や、成り行きで留学した例が多い。また、自分の意思で留学した場合でも、さほど真剣に考えずに決心した人も多い。
当たり前のように聞こえるが、高校生が留学を成功させるには、本人が明確な目的と意識をもち、自分自身で留学を決心することが大切だ。


父親の転勤に伴い家族でカナダに移転したY.Kさん(当時中学3年生)は、英語を特別勉強したこともなく、心の準備もないままに留学。先生やクラスメートの言っていることがまったくわからず、それまでとはうってかわって静かな性格になってしまった。幸い、時と共に英語力がつき、生活も楽しくなってきたが、日本での生活を悔やむ気持ちも残っている。Y.Kさんの場合、家族仲が良く、週末は家族と一緒にアウトドアスポーツを楽しんで気を紛らわせることができたことが大きな助けになったが、たとえ一時両親と別れることになっても、自分の精神的準備ができるまで渡航を延期した方が良かったと思われる。高校留学は、性格が変わるほどのインパクトをもっているのだ。


「心の準備をしておくことが、結果として大きく役立ちます。言葉が一番のチャレンジであるにせよ、勇気をもって意識的に話しかけてカナダ人の友達を作ること、学校のシステムや自分が慣れていない環境を前向きな姿勢で受け入れること、留学に送り出してくれた両親への感謝の気持ちを自覚することなどが大切です。」(ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド教育委員会)
「まずは、留学の目的をしっかり定めてください。 英語をマスターしたいだけなら、日本の高校を1年休学して留学する場合もあります。こうした語学留学は卒業を目的に留学する正規留学とは本質的に違います。それぞれの目的にしたがって準備を整えてください。 留学を行うのは自分ですから、自分で行動することに慣れることが大切です。外国旅行の経験がない場合や、両親から離れたことがない場合は、留学前にできるだけ家族から離れる機会をもつと良いでしょう。そうすることで自信がつきます。」 (オンタリオ州 オタワ教育委員会)

高校留学成功の基本条件その2

留学生活についてできるだけ事前に調べる。
留学先の国、地域、学校などについて、できるだけ時間をかけ詳しく調べることが必要だ。日本人はこの点、積極的でないと指摘されることが多い。
その国と地域については、外国人(特にアジア人)に対する国民感情、留学生の受け入れ環境、安全性、生活文化、気候、物価などを知ることが大切だ。いくら本人の自覚があっても、受け入れる環境が留学に適していないのでは留学生活が余計にきつくなる。
学校については、留学プログラムの内容(カリキュラム、カウンセラー、部活動等)、留学生数(特に日本人生徒数)、卒業資格などについて徹底的に質問したい。英語が問題で直接学校に問い合わせできない場合は、留学エージェントを経由して問い合わせると良い。
「南米の留学生からは熱心な質問をよく受けますが、不思議なことに日本人の生徒や両親から準備に関する質問を受けることはあまりありません。もっと積極的に質問して、不安を解消しておくと良いと思います。」(ブリティッシュ・コロンビア州 リッチモンド教育委員会)

「生徒と両親が一緒になって、留学する国や学校がある地域、その地域にある日系団体などについてできるだけ多く調べておくことをお薦めします。観光情報を提供するホームページもリサーチする際に役立ちます。特に、どのような文化背景をもっている環境であるかを調べると良いでしょう。 」(ブリティッシュ・コロンビア州 バーナビー教育委員会)

高校留学成功の基本条件その3

できる限り英語力をつけておく。
留学生ならだれでもが経験するのが、言葉の壁だ。
英語力は、自分から積極的に取り組んでいれば、だれでも時間と共に実力をつけることができる。高校を卒業するころにはカナダ人と区別がつかないほどに上達する人もいる。しかし、留学で一番つらいのは慣れるまでの最初の1年間で、基本的な英語力の有無がその1年間の生活を大きく左右する。


「一番つらかったのは、留学当初、英語がまったく分からなかったことでした。行けば何とかなるだろうと高をくくっていたことで苦労しました。」(T.S君。グレンイーグル高校在学中。16歳)


「日本で中学3年生(カナダの9年生)を卒業した学生は、再びカナダの9年生に入り、ESL英語と9年生の簡単な科目を取ることをお勧めします。9年生から10年生に進級するのは大変厳しく、家庭教師を雇って英語の特訓を受けたところで、英語はそれほど急には上達しません。中学卒業後の留学生の場合、留学後1年半で、日常会話はほとんど聞き取れ話せるようにもなります。しかし、日常会話と学問的英語力は異なったもので、その上達率も全く異なることが証明されています。」(カナダ留学辞典著者:八木慶男さん)


注意:カナダの高校には語学力テストなしに入学でき、カナダ人生徒と机を並べて授業を受けることができる。しかし、語学力が低い生徒はESLクラスを受講することが義務付けられていて、卒業時に英語力がカナダの高校3年生のレベルに達していない場合は正規の卒業証書は与えられない。高校3年生レベルの英語力をマスターするには、仮卒業後、数年かかることもある。


高校留学成功の基本条件その4


両親の理解と協力
親から離れて生活しているとはいえ、留学中の高校生にとって親のサポートが必要なことは言うまでもない。しかし、親の過保護が本人の成長を妨げたり、過大な期待が余計なプレッシャーをかける結果となって、留学を失敗させることもある。留学生が新しい環境や文化を学んで順応していかなければならないように、親も一緒に努力する必要がある。
「過保護にならない程度にサポートしてあげてください。小さなことでも毎日親に相談する生徒もいますが、全てにおいてアドバイスすることは生徒のためにはなりません。留学生を受け入れている学校のスタッフは、こうした問題を抱えた生徒との対応に慣れており、効果的に指導するノウハウを備えていますので、学校を信頼して任せることが大切です。エージェントを介して留学する場合は、留学中のサービス内容を良く調べておいてください。最も大切なことは、エージェントが学校とのコミュニケーションをどれだけ助けてくれ、学校や教育体制、文化一般に対する知識をどれだけもっているかという点です。」

「日本の学校で良い成績を収めていた生徒であれば、カナダでも良い成績を取れる例が多いです。その半面、日本で問題があった生徒の場合、留学させることで問題解決を期待することはお薦めできません。」(オンタリオ州オタワ教育委員会)

「英語が期待した通り上達しなくても心配はいりません。だれでも段階を追って上達します。しかし英語力について両親の期待感が高すぎることがままあり、生徒のプレッシャーになっている例も見られます。一般に、生徒は順応性があり、比較的早く新しい環境に慣れていきますが、このことでも両親の方が苦労するようです。ご両親も、不安を感じた場合はためらわずに学校に相談してください。」 (ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー教育委員会)

高校留学成功の基本条件その5

親身になってケアしてくれる後見人を確保する
高校留学のビザを申請するにあたり、カストディアン(ガーディアン)と呼ばれる後見人を留学先で任命しなければならない。後見人は両親の権利と義務を代行するもので、学校と両親のパイプとなり、留学を成功に導くための大切な役割を果たすことになる。
後見人を探す方法は、(1)留学先の学校に斡旋を依頼する、(2)留学エージェントを通じて現地の業者に依頼する、(3)現地の業者に直接依頼する、などがあり、私立校の場合は学校の職員が後見人を兼任する場合もある。

後見人の役目は重大だが、その義務は法的には規定されていないため、業者によりサービス内容や料金が異なる。任命する際は、料金に含まれる内容をよく確かめることが必要だ。また、学校の職員が無料で後見人を引き受ける場合もあるが、一度に留学生全員を引き受けているケースが大半で、こうした場合、名目だけの後見人であることが多いので、実際のケアは望めない。


「日本語の話せる後見人がいると良いです。高校留学には、知識の習得だけでなく潜在能力の開発や人格の形成も伴います。両親と密な連絡がとれ、英語も不自由無く話せ、カナダの社会事情や教育事情にも精通している後見人であることが必要です。ホストファミリーがこれに該当すれば理想的ですが、現実には別々の方が問題の処理がしやすくなります。子供の教育面のモニターに関しても、親と同じ目で見守り、責任ある行動を取れる人でないと困ります。学校が求める父母と先生の面談に出るだけではなく、各科目担当教師のコメントを、留学生本人の抱える問題との関係で理解できる人が必要です。留学生の多くは、学習の道具である英語力自体に困難を感じています。状況によっては、特定科目に家庭教師をつけることによって学生のストレスを減らすなど、日本の両親に適切な助言とカナダ側での手配ができる人が望ましいでしょう。」(カナダ留学辞典著者:八木慶男さん)


高校留学成功の基本条件その6

言葉ができなくても積極的に参加する。
高校留学経験者や受け入れ校の話を総合すると、最も大切なのが、生徒自身のキャラクターだ。高校留学に成功した人は、例外なく、学校でもホームステイ先でも、周りからの助けを待つのではなく、自分から積極的に行動している。また、
カナダの高校では、自分が決断しなければならないことが日常的にある。生活面でも学業面でも、自分で物事を決める習慣をつけ、問題に直面した時に耐えるだけの明るさと強さをもつことが大切だ。


「日本人に多く見られる問題は、授業でもクラブ活動でも受身になりやすいことです。日本では授業の進め方がひじょうに形式的ですが、カナダでは、生徒が自由に発言し、自主的に参加しながら授業を進めるシステムです。このため、先生の話を聞いているだけで自主性がない生徒は、試験でも良い点がとれません。また、生徒の精神面をサポートするために、授業外でも先生と生徒の間でカジュアルな会話が交わされています。日本人は一般的に学業には優秀で、英語に対する知識も低くありませんが、こうしたカナダの教育システムを理解し、メンツにこだわらず積極的に質問したり、先生や留学カウンセラーのアシストを活用して、精神的な壁を乗り越えると、留学の効果がより向上し、英語力も一段と上がります。」(ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンド教育委員会)

「個人差はありますが、だれでもカルチャーショックを経験し、ホームシックにかかります。困った時は、躊躇せず相談してください。カナダの学校は、相談されずにいるより相談されることを好みます。生徒自身が学校のスタッフをはじめ相談できる人たちや団体の存在を知っていることが大切です。例えば、地元にある日系コミュニティーなどが役に立つ場合もあります。当学校区では、カナダ人生徒と留学生が交流するプログラムや、留学生同士が交流するプログラムを設けています。こうしたプログラムに積極的に参加することが、活動の輪を広げて生活を楽しくします。」(ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー教育委員会)

「問題から逃げることは解決にはなりません。例えば、英語のストレスが多かった場合でも、日本人同士だけで行動するようになるとますます悪化します。他人とのコンタクトを避けてインターネットに没頭するのも勧められません。カウンセラーなど、学校のサポート・システムと連絡をとり、自分から問題を解決するための第一歩を踏み出してください。最初はだれでも語学力が足りなくて当たり前。やる気があれば必ず乗り越えられます。」(オンタリオ州オタワ教育委員会)

「問題の原因は、英語力が不十分なことや、文化の差からくる“誤解”が大半です。この問題に対応するために、当教育区では留学全般の相談を行うカウンセリング・スタッフと、文化の差について相談するマルチカルチャー・スタッフを備えています。 しかし、スタッフが十分いるにもかかわらず、だれに相談したら良いか分からずに悩む人も多いようです。このことは、アジアの留学生に共通した問題です。」(ブリティッシュ・コロンビア州サレー教育委員会)■


Edmonton Public Schools
エドモントン公立学校区

アルバータ州の学校区で、203の中・高等学校があり、生徒総数は81200人。カナダを代表する月刊誌「マクレーン」が、カナダのトップ30高校区の一つに選んでいる(2005年8月号)。留学生用に5種類の大学進学奨学金制度があり、留学生の85%が、他の留学生にもこの学校を推薦すると答えている。
> http://internationalprograms.epsb.ca/home.html


Greater Victoria School District

ビクトリア教育委員会

ブリティッシュ・コロンビア州の教育委員会で、正規高校留学プログラムのほか、1ヵ月から入学可能な短期プログラム、2週間から6週間の夏期プログラム、団体で申し込みコース内容を自由に選べるグループESLスタディーツアー、英語教師用のTEFLプログラムなども行っている。

> http://isp.bc.ca


Red Deer Public Schools

アルバータ州の教育委員会で人口8万の小都市にある。一昨年までは留学生数は10人以下だったが、昨年からメキシコ、日本、ブラジル、ドイツ、韓国、中国などから50人以上の留学生が入学をし人気上昇中。生活費や学費が他の地域と比べて安いことが魅力だ。

School District #2 Moncton

モンクトン教育委員会

カナダ大西洋岸ニューブランズウィック州の教育委員会で、区内に38の中・高等学校があり、生徒総数は16000人。大都市にある教育区と比べて留学生数は少なく、特にアジア系の留学生は少ない。チェス大会、演劇フェスティバル、パブリックスピーキング、ストーリーフェスティバル、サイエンスオリンピックなどのイベントもあり、フランス語教育にも力をいれている。

School District #38 Richmond

ブリティッシュ・コロンビア州の教育委員会で、日本人留学生受け入れに長い歴史をもっている。留学生用にインターナショナル・スチューデント・プログラムを備え、中・高校生を受け入れている。
1クラスの生徒数は最高32人。正規留学に加え、個人やグループで参加可能な短期留学プログラムも行っている。

> www.sd38.bc.ca/IntStuPro/

School District #64 Gulf Island

ブリティッシュ・コロンビア州の本土から近い島にある教育委員会で、一国からの留学生数を10人から12人までに限定し、留学生総数を70人に限定している。小島独特ののんびりとした生活環境で、景色も美しく、アウトドアレジャーも楽しめる。

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