高校留学成功の秘訣親元を離れた外国での生活を通じて、生徒はそれぞれにひとり立ちする強さを身に付け、大きく成長してゆく。また、日本の社会とは違った価値観や生活観に目覚め、国際人としてのたしなみも体得する。 しかし、高校留学を成功させることは容易ではない。教師同伴で行う交換留学や、夏休みなどを利用して行う短期留学とは本質的に違い、本人の自覚はもちろんのこと、周囲の協力や準備が不可欠だ。 それでは、高校留学を成功させる基本条件とは何だろうか?
高校留学成功の基本条件その1留学は良く考え自分の意志で決定する。高校留学に失敗する人のなかには、親の希望や、成り行きで留学した例が多い。また、自分の意思で留学した場合でも、さほど真剣に考えずに決心した人も多い。 当たり前のように聞こえるが、高校生が留学を成功させるには、本人が明確な目的と意識をもち、自分自身で留学を決心することが大切だ。
高校留学成功の基本条件その2留学生活についてできるだけ事前に調べる。留学先の国、地域、学校などについて、できるだけ時間をかけ詳しく調べることが必要だ。日本人はこの点、積極的でないと指摘されることが多い。 その国と地域については、外国人(特にアジア人)に対する国民感情、留学生の受け入れ環境、安全性、生活文化、気候、物価などを知ることが大切だ。いくら本人の自覚があっても、受け入れる環境が留学に適していないのでは留学生活が余計にきつくなる。 学校については、留学プログラムの内容(カリキュラム、カウンセラー、部活動等)、留学生数(特に日本人生徒数)、卒業資格などについて徹底的に質問したい。英語が問題で直接学校に問い合わせできない場合は、留学エージェントを経由して問い合わせると良い。 「南米の留学生からは熱心な質問をよく受けますが、不思議なことに日本人の生徒や両親から準備に関する質問を受けることはあまりありません。もっと積極的に質問して、不安を解消しておくと良いと思います。」(ブリティッシュ・コロンビア州 リッチモンド教育委員会) 「生徒と両親が一緒になって、留学する国や学校がある地域、その地域にある日系団体などについてできるだけ多く調べておくことをお薦めします。観光情報を提供するホームページもリサーチする際に役立ちます。特に、どのような文化背景をもっている環境であるかを調べると良いでしょう。
」(ブリティッシュ・コロンビア州 バーナビー教育委員会) 高校留学成功の基本条件その3できる限り英語力をつけておく。留学生ならだれでもが経験するのが、言葉の壁だ。 英語力は、自分から積極的に取り組んでいれば、だれでも時間と共に実力をつけることができる。高校を卒業するころにはカナダ人と区別がつかないほどに上達する人もいる。しかし、留学で一番つらいのは慣れるまでの最初の1年間で、基本的な英語力の有無がその1年間の生活を大きく左右する。
高校留学成功の基本条件その4両親の理解と協力 親から離れて生活しているとはいえ、留学中の高校生にとって親のサポートが必要なことは言うまでもない。しかし、親の過保護が本人の成長を妨げたり、過大な期待が余計なプレッシャーをかける結果となって、留学を失敗させることもある。留学生が新しい環境や文化を学んで順応していかなければならないように、親も一緒に努力する必要がある。 「過保護にならない程度にサポートしてあげてください。小さなことでも毎日親に相談する生徒もいますが、全てにおいてアドバイスすることは生徒のためにはなりません。留学生を受け入れている学校のスタッフは、こうした問題を抱えた生徒との対応に慣れており、効果的に指導するノウハウを備えていますので、学校を信頼して任せることが大切です。エージェントを介して留学する場合は、留学中のサービス内容を良く調べておいてください。最も大切なことは、エージェントが学校とのコミュニケーションをどれだけ助けてくれ、学校や教育体制、文化一般に対する知識をどれだけもっているかという点です。」 「日本の学校で良い成績を収めていた生徒であれば、カナダでも良い成績を取れる例が多いです。その半面、日本で問題があった生徒の場合、留学させることで問題解決を期待することはお薦めできません。」(オンタリオ州オタワ教育委員会) 「英語が期待した通り上達しなくても心配はいりません。だれでも段階を追って上達します。しかし英語力について両親の期待感が高すぎることがままあり、生徒のプレッシャーになっている例も見られます。一般に、生徒は順応性があり、比較的早く新しい環境に慣れていきますが、このことでも両親の方が苦労するようです。ご両親も、不安を感じた場合はためらわずに学校に相談してください。」
(ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー教育委員会) 高校留学成功の基本条件その5親身になってケアしてくれる後見人を確保する高校留学のビザを申請するにあたり、カストディアン(ガーディアン)と呼ばれる後見人を留学先で任命しなければならない。後見人は両親の権利と義務を代行するもので、学校と両親のパイプとなり、留学を成功に導くための大切な役割を果たすことになる。 後見人を探す方法は、(1)留学先の学校に斡旋を依頼する、(2)留学エージェントを通じて現地の業者に依頼する、(3)現地の業者に直接依頼する、などがあり、私立校の場合は学校の職員が後見人を兼任する場合もある。 後見人の役目は重大だが、その義務は法的には規定されていないため、業者によりサービス内容や料金が異なる。任命する際は、料金に含まれる内容をよく確かめることが必要だ。また、学校の職員が無料で後見人を引き受ける場合もあるが、一度に留学生全員を引き受けているケースが大半で、こうした場合、名目だけの後見人であることが多いので、実際のケアは望めない。
高校留学成功の基本条件その6言葉ができなくても積極的に参加する。高校留学経験者や受け入れ校の話を総合すると、最も大切なのが、生徒自身のキャラクターだ。高校留学に成功した人は、例外なく、学校でもホームステイ先でも、周りからの助けを待つのではなく、自分から積極的に行動している。また、 カナダの高校では、自分が決断しなければならないことが日常的にある。生活面でも学業面でも、自分で物事を決める習慣をつけ、問題に直面した時に耐えるだけの明るさと強さをもつことが大切だ。
「問題から逃げることは解決にはなりません。例えば、英語のストレスが多かった場合でも、日本人同士だけで行動するようになるとますます悪化します。他人とのコンタクトを避けてインターネットに没頭するのも勧められません。カウンセラーなど、学校のサポート・システムと連絡をとり、自分から問題を解決するための第一歩を踏み出してください。最初はだれでも語学力が足りなくて当たり前。やる気があれば必ず乗り越えられます。」(オンタリオ州オタワ教育委員会)
Edmonton Public Schools > http://internationalprograms.epsb.ca/home.html
Greater Victoria School District ブリティッシュ・コロンビア州の教育委員会で、正規高校留学プログラムのほか、1ヵ月から入学可能な短期プログラム、2週間から6週間の夏期プログラム、団体で申し込みコース内容を自由に選べるグループESLスタディーツアー、英語教師用のTEFLプログラムなども行っている。
Red Deer Public Schools アルバータ州の教育委員会で人口8万の小都市にある。一昨年までは留学生数は10人以下だったが、昨年からメキシコ、日本、ブラジル、ドイツ、韓国、中国などから50人以上の留学生が入学をし人気上昇中。生活費や学費が他の地域と比べて安いことが魅力だ。 School District #2 Moncton カナダ大西洋岸ニューブランズウィック州の教育委員会で、区内に38の中・高等学校があり、生徒総数は16000人。大都市にある教育区と比べて留学生数は少なく、特にアジア系の留学生は少ない。チェス大会、演劇フェスティバル、パブリックスピーキング、ストーリーフェスティバル、サイエンスオリンピックなどのイベントもあり、フランス語教育にも力をいれている。 School District #38 Richmond ブリティッシュ・コロンビア州の教育委員会で、日本人留学生受け入れに長い歴史をもっている。留学生用にインターナショナル・スチューデント・プログラムを備え、中・高校生を受け入れている。 School District #64 Gulf Island ブリティッシュ・コロンビア州の本土から近い島にある教育委員会で、一国からの留学生数を10人から12人までに限定し、留学生総数を70人に限定している。小島独特ののんびりとした生活環境で、景色も美しく、アウトドアレジャーも楽しめる。 |