ライフ - 連載コラム記事
連載4

ワーキングホリデー体験レポート

小林清華 ( こばやし・さやか ) さん
東京国際大学経済学部国際経済学科卒業 静岡県出身
楽しい旅行からバンクーバーに帰ってきた私。
その先に待っていたものは・・・。
思い出すのも嫌なくらい厳しい現実。さて、その恐ろしい現実とは。

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ストレス解消に役立ったケーキとコーヒー。
ケーキは週2回食べた。

 通学先の学校で『 Step Up ? プログラム』と呼ばれるコースが始まった。 国際コミュニケーション準備講座で、レジュメの書き方や面接の練習など、カナダで仕事をするための基本的スキルや、国際社会で働く上で必要なコミュニケーション能力を身に付けるカリキュラムになっている。ただし、ESLクラス同様、毎日ボキャブラリーテストと週1回復習テストがある。また、プレゼンテーションもあるが、ESLクラスのプレゼンテーションとは違い、パワーポイントを使って行なう。しかもテーマがESLの時とは大きく異なり、さらに英語のレベルも今までとは全然違った。 「このプログラムは相当厳しい」との情報は得ていたが、実際に授業を受けてみると確かに想像以上の厳しさだった。



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公園で見たラクーン。

自分との戦いが始まった

  「なんで私がここにいるのだろう?」とか、「なんでここに私がいて良いのだろう?」と、 自分がものすごく場違いなところにいるように感じた。学校に行くことが辛くなった。お腹が痛くなったり、まるで体が登校を拒否するような状態が続いた。バンクーバーライフを楽しむ余裕など、微塵もなかった。特に始めの1週間は地獄のようだった。 レジュメ、カバーレター、そしてインタビューの準備、プレゼンテーションの準備、宿題、単語テスト・・・と、やること盛りだくさん。全て完璧にこなそうと思っても、時間が足りない。宿題すら終わらない。逃げ出しそうな自分との闘いだった。それでも時が経つにつれ、少しずつ慣れ、良い意味でも悪い意味でも開き直ることができるようになってからは、精神的に随分楽になった。授業が決して簡単になったわけではない。ただ、学校に行くことが辛くはなくなった。そして最後の方は、結構楽しめたと思う。



自分を発見

  たった1ヵ月のクラスだったけれど、乗り切れたことでものすごく自信がついた。 学んだことがどれだけ身についているかは別として、厳しい環境の中でも逃げ出さず、最後まで続けてきたことに意味があると思う。この先何があっても乗り切れるだろう。なんだか久しぶりに、がんばった自分を発見した気持ちになった。そしてディプロマをもらった時のあの喜び、快感。こんな気持ち、忘れていた。学校では本当に多くのことを教えられた。自分独りでは決してここまでこられなかっただろう。励ましてくれる友達がいて、何度もわかるまで教えてくれる先生がいて、いつも応援してくれる家族がいた。私にたくさんの優しさをくださったみなさん、特に、クラスメートのみんな、本当にありがとう。


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初めてチャレンジした5ピンボーリングでは
かなりはじけた。

小さな町のホテルで仕事をゲット

  もう一つ、うれしいニュース。仕事をゲットした! ペンティクトンという小さな町のホテルで、ハウスキーピングという仕事だ。どんな町なのだろう。そしてどんな生活が始まるのだろう。少なくとも3ヵ月、そこで過ごすことになる。クラスメートも一緒なので、不安はそれほどない。とにかく楽しみ。ドキドキ。


 しかし、この仕事を始める前に、移動も兼ね同じ町で働く予定の友達と、レンタカーで旅に出ることにした。 バンクーバーアイランド1周+ソルトスプリングアイランド、そしてペンティクトンへと向かう予定だ。学校の勉強に追われていたので、この旅の準備にかける時間などほとんどなかった。レンタカーの予約はしたが、その他は全くナシ。はてさて、どうなることやら。がんばった自分へのご褒美ということで、思いっきり楽しんできたいと思っている。



 こうして3ヵ月に渡るバンクーバー生活は幕を閉じた。 3ヵ月か。あっという間だったな・・・。



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