スタディ - 留学・英会話
My High School Experience

海を渡った高校生

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宮元 稚佳 さん
(みやもとちか)

愛知県名古屋市出身15歳
Fraser Height Secondary School
10年在学中
数少ない日本人留学生と

離れてみて知った母国の素晴らしさ

宮元稚佳さんがホームステイしているのは、鮭の遡上で名高いフレーザー川のほとりにあるフレーザーハイツ。バンクーバーから東へ40分ほどののどかなエリアだ。現在籍を置くフレーザーハイツセカンダリースクールには宮元さんを含め、3人しか日本人がいない。


幼い頃から英語に親しんで

 宮元さんは、物心つく前から旅行好きの両親に連れられ度々外国に行った。そのため、海外や英語への興味はおのずとわいて、小学校の半ばから英会話スクールにも通い始めた。そんな環境で育ったため、宮元さんが留学を考えたのはごく自然な成り行きで、中学に入学した頃には、具体的に海外留学を考えるようになっていた。


留学を諦めかけた中学時代

 しかし、厳しい受験競争を経て入学した中学での生活は勉強に追われる日々だった。あれほど憧れていた海外留学の夢も、目の前の課題をこなすのに精一杯で、いつしか遠のいた。やがて授業についていくのも困難になってしまった。「このままではダメになる。自分を変えたい。自信を取り戻したい」。何かが宮本さんの心の中ではじけ、中学3年の夏休み、一度は諦めかけた海外留学を決意した。


自由な校風に驚きの連続!

 宮元さんの両親は留学に協力的で、特に母は強く賛成してくれた。留学先にカナダを提案したのも母だった。事前に弟と母の3人でカナダへ下見に訪れ、ホストファミリーにも会いに行った。そして2006年2月、宮本さんはカナダへと旅立った。「日本を離れたかったこともあり、不安よりも好奇心の方が強かった」。さすがに登校初日は「怖かった」が、型にはまらない教育のスタイルに驚きの連続だった。授業は体育、調理、ギター、ESLを選択。体育ではバレーボールを使ってバスケットをしたり、インド料理や他国の料理を作って、その国の文化も学べる調理の時間など、日本とは違ったユニークな内容に、日本の生活に疲れ切っていた心が解放されていくのを感じた。


大家族の賑やかホストファミリー

 ホストファミリーは、宮元さんと同い年の女の子をはじめ、13歳の男の子、11歳と5歳の女の子がいる大家族。それぞれの子供たちの友人が遊びに来ては、夕食も共にすることがしばしばあった。 子供たちの「その騒がしさに救われた(笑)」というほど、いつも賑やかだ。またこの夏休みには、ホストファミリーがキャンプに連れて行ってくれた。広大なカナダの大自然のなかで体験した初めてのキャンプ、テント生活、湖での水泳、キャンプファイヤーでの焼きマシュマロと、初めてづくしに感激だった。

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ホストファミリーの家の前で


夏休みも帰省せずに勉強

 家では極力テレビのドラマやアニメをつけっ放しにして、英語に耳を慣らすようにしている。リスニングはかなり向上したが、「なかなか思うように自分の言いたいことが言えないのが歯がゆいし、せっかく留学しているのに帰国するのはもったいない」と、留学生のほとんどが母国へ帰国する夏休みもカナダに残り、会話力を強化するために夏期講習へ通った。その代わり、日本から両親と弟妹の家族全員が2週間カナダに滞在し、みんなで旅行を楽しんだ。 これからは「もっとカナダ人の友だちを作り、みんなとたくさん話をしたい」と、意欲的だ。最近は地元のコミュニティーセンターで、カナダ人に混じってバトミントンに楽しむこともある。 留学する前は日本が嫌いだったが、「離れてみて、日本が大好きになった。母国はやはり忘れることはできない。留学を通して広い視野で物事を見ることができるようになった」と、今は気持ちにゆとりができた。将来は「父と同じ医者になるか、哲学や心理学などの方面に行くか」と思案中だ。 日本で失いかけた自信と意欲を取り戻した宮本さんの笑顔があった。


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