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Ritsumeikan at UBC

立命館・UBCジョイントプログラム
・レポート16

笠井美希 さん

笠井美希 さん
立命館大学産業社会学科
3回生。大阪府出身。

大阪出身。趣味は買い物や映画鑑賞。現在はメディア関係に興味があるが将来の進路は未定。


立命館・UBCジョイント
プログラム


  立命館大学とUBCが共同で開発したカリキュラムに基づき、学力と語学力の向上とともに、カナダでの生活体験を通して国際人として成長することを目指したプログラム。立命館大学と立命館アジア太平洋大学の学生100名が毎年UBCに1年間留学し、言語教育科目や環太平洋研究、異文化間コミュニケーション等を受講しボランティア活動にも参加している。



  私は日本でボランティアというものを経験したことがなかったが、この留学プログラムを通じて、小学生のケアを行なうボランティア活動に参加した。仕事の内容は、放課後それぞれの宿題をもって教室に集まって来る生徒たちの質問に答えたり、答えを自分で見つけだせるように導くというものであった。数学、英語、社会など科目は様々で、主に低学年生徒の手伝いだった。しかし相手が低学年ではあっても、英語で足し算の繰上げや、掛け算、割り算などを教えることは、私にとってとても難しいことであった。このボランティアには地元の高校生も参加していたが、当然子供たちは、私よりスムーズに説明してくれる地元の高校生の方へ質問をしに行く。「自分には何もできない」と思った私は、このボランティアを1ヵ月で止めてしまった。

  ボランティアを途中で諦めてしまったという気持ちが後悔として残ったため、留学の締めくくりに行なわれる夏期授業と合わせて再度ボランティアに挑戦した。そして夏期授業の3ヵ月間、ひとつのボランティアを続けるということが、私の目標となった。
今回参加したのはバンクーバーを中心に発行されている日系の新聞会社で、主に文章校正のボランティアとして働かせてもらった。仕事を始める前は、何の技術も経験もない自分に、何ができるのかという不安があったが、いざ会社に出向き、初日の仕事をやり終えた後、疲れと一緒に充実感を感じた。それは、与えられた仕事をこなすことで、「私にもできることがある、役に立つことができる」という気持ちを体感したからだった。
校正の仕事は一日6時間、ひたすら記事を読み返すという作業。しかし、この仕事を確実にこなすことで、私自身に対する信用が生まれ、校正だけでなく記事のタイピング、スタンプ押し、取材の手伝い、そして実際に記事を書くという仕事までやらせてもらった。またいろいろな仕事を任せられたことにより、自分に対する自信もついた。


立命館・UBCジョイントプログラム

  今回のボランティアを通して強く感じたことは、どんな仕事に対しても責任をもたなければならないということである。ボランティアだからといって、いい加減に仕事をするわけにはいかない。自分が従事している仕事は、会社そのものに影響するのだ。たとえスタンプ押しでも、そのスタンプの押し方が汚ければ会社自体の評判に影響するかもしれない。そんなことを思いながら仕事をこなしていると、一つひとつの作業が丁寧に、そして慎重になった。さらに、その責任感を一番感じたのが、実際に取材を行い記事を書いた時である。自分の文章が人や店のイメージを作り上げるため、自分の書いた記事には、責任をもたなければいけないということを心から感じた。そして、ボランティアをすることは、その現場の生の声や体験をするとても良いチャンスだと実感した。

  初めてのボランティアでは、「自分にできることはない」と感じて諦めてしまったが、二回目のボランティアでは、「自分にできることは何か」を探す積極的な考えに変わった。そしてこのようなポジティブな考えの方が、良い結果を得られるものだとも感じた。今まで、「自分にはできないから」と避けていたことで、いかにたくさんのチャンスを逃してきたかのように思う。確かに、やったこともないのに最初からできる人間なんてそういない。しかし初めの一歩を勇気を出して踏み出すことで、その後得られるものがあるはずだ。ひとつの行動から得られるものは、それ以上にあるものだと実感した夏になった。


立命館・UBCジョイントプログラム


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