スタディー−留学・英会話記事
  こうすれば英語が上達する! 私の留学記
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※こちらの記事は2004年のものです。 最新の情報はこちらをご覧ください。

私は、大学在学中に参加したビクトリア大学(UVIC)夏期英語講座の課外授業でビクトリアの街を回り、その印象が良かったので、いつかまたビクトリアに戻り、本格的に留学したいと考えていた。大学を中退後、留学資金をためるために働き、1年半で資金のめどがついたので留学を決意した。 2003年1月、念願かなってビクトリアに再来。日本を発つ時は、涙を流して家族と別れた。

教室で(手前右側のTシャツ姿が窪川さん)

今回の留学の目的は、正規留学生として大学を卒業することだが、語学力が不足している場合は、まずESLコースを取らなければならない。このため、UVICのESLコースに入学したが、大学への編入がかなり困難なことがわかった。そんな時、同じビクトリア州にあるカモーソン・カレッジでは、ESLコースを修了するとカレッジ準備(College preparation)コースに入学でき、このコースを修了するとカレッジに編入して正規の留学生となれることを知り、このカレッジに移ることにした。ちなみに、カレッジとは専門学校的な学校の総称で、職業訓練的な科目に焦点を当てているものの、一般の大学と同じ科目もあり、取得できる単位数も大学と変わらない。

カモーソン・カレッジのESLコースは6段階に分かれており、低い段階から始めた場合は全段階を修了するまでに1年以上はかかることになる。これから正規留学する人へのアドバイスとして、ESLに何年も身を置きたくないのであれば、ある程度、英語を身につけておくことをお勧めする。私は、ESLに縛られる期間が長すぎて正規留学生になれずに帰った人を何人も知っている。

さて私は、カモーソンで受けたテストにより、真ん中のレベルからスタートすることになった。私のクラスは、生徒数が20人前後。いろいろな国の人が一緒に学んでいた。アジア人(中国人)が比較的多いが、中東系の人も数名いたり、メキシコの人がいたりで、小さなクラスなのに世界が見渡せてしまう。日本のなかでは出会えない世界の人々と知り合うことができるのは、留学ならではの利点だと私は思う。

クラスメートとピクニック

クラスメートのなかで私が一番仲良くしていたのがメキシコの男性である。彼は、カナダ人の女性と結婚して永住権を取り、こちらで就職するために英語を学んでいた。彼は大柄でその上声が大きい。だから彼は、必然的にクラスのムード・メーカーになっていた。
クラスはいつも楽しい雰囲気で、1学期はあっという間に終わってしまった。私は、UVICですでにESLを取っていたことや、クラスの課題やグループ・ワークを、メキシコ人の彼とお互いの弱点を補いながら行ったことが助けとなり、テストは、楽々とパスした。1段階をパスするには通常14週間かかるところを7週間でパスしたのだ。そして、次の学期には、上から2番目のレベルに入り、これも7週間でパス。ESLを受講する期間をできるだけ早く切り上げる私の目論見(もくろみ)は、見事に成功しつつあった。

しかし、ここで私は大きな壁にぶち当たった。
ESL最後のレベルに到達したのは良いが、自分の英語力の乏しさをとことん知る事になり、ここに来て、スランプに陥ってしまった。
クラスメートの半数がヨーロッパ系または、英語を今まで何年も使っていた経験をもつ人たちばかりで、授業では意見が銃弾のように飛び交う議論が展開されていた。私には考える暇さえ与えず、彼らはどんどん先へ進み、私は自分一人が取り残されている気分になってしまった。授業中も、ほとんど私はポカンとするばかりで、まったく内容を理解できないまま時間が過ぎていってしまった。
さらに私を困惑させたのは、先生が新聞の記事を取り上げ、その内容に関する質問を出し、それに答える練習である。その答えが記事のなかに出ている場合が多いのだが、答えをそのまま抜き出すのではなく、自分の言葉に直して答えなければならない点で四苦八苦した。
「単語力に欠けている私にどう説明しろというのだろうか?」 努力して回答しても見当違いの答えになったりで、先生にも心配される始末だった。

半泣き状態でテストを毎週受けている頃に、インドネシアから来た一人の女生徒と仲良くなった。彼女は、自分の国でも英語を使っていたのでよく話せ、理解力もあり、クラスでも目立つ存在だった。分からないことがあればすぐに質問していたし、積極的に意見を出していた。そんな彼女の姿勢を見て、私は彼女を尊敬し、彼女のようになりたいと思った。「今のままではだめだ」と、何とか自分を奮い起こそうと努力し続けたものの後ろ向き気味だった私に、彼女は救いの手を差し伸べてくれ、そのおかげでなんとかぎりぎりでコースをパスすることができた。
どんな困難にぶち当たったとしても、それを乗り越えようとする自分の意思と、友達の助けがあれば、その困難を克服することができることを、私はカモーソン・カレッジのESLで学んだ。

さて、ESLコースを修了して、いよいよ待ちに待ったカレッジ準備コースに入ることになった。大きくレベル・アップした分、これからはより大きな壁が立ちはだかるだろう。これをどう乗り切っていくか・・・。(次号につづく)

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