アルゴンキン・カレッジ 「どうしたら英語が上達するか?」と生徒からよく聞かれる。答えは一冊の本にしても足りないだろう。しかし私は、「なぜ勉強したことを忘れてしまうか」という観点から考えてみるべきだと思う。 数年前に起こったことで、覚えているものもあれば忘れてしまったものもあるだろう。何かの拍子にかいだにおいや、どこかを訪れたことがきっかけとなり、忘れていた記憶が、細部にわたって洪水のように蘇ってくる場合がある。同じ出来事を経験したあなたの友達がその出来事をこと細かに覚えているのに、あなたはほとんど覚えていないようなケースもあるだろう。なぜこのようなことが起こるのかといえば、その人にとって印象深いことは記憶に残るが、そうでないものは忘れてしまうからなのだ。 英語を勉強する時も、この基本原理を忘れてはならない。「どうしたら英語が上達するか?」という質問の代わりに、「どうしたら英語の勉強を意味のあるものにして、早く覚えてすぐには忘れないものにできるか?」という質問に置き換えれば、求めている答えが見えてくる。 単語、フレーズ、イディオム、文法、動詞の形を、自分にとって意味のある文章や短いストーリーにして覚えることことがポイントだ。一つの文章と一つのストーリーから始め、複数のストーリーを作り上げていくと、使った単語やフレーズその他が自分のものになっていく。 その他に、早く英語を上達させる方法としては、英語でなければ周りとコミュニケートできないような環境に身を置くことだ。できれば、英語が生きていくために必要であるような状況が良い。お互いに励ましあえるような友人と一緒に勉強しても良いだろう。片方が弱気になった時に助けになり、勉強が楽しくなるだろう。
パシフィックノースウェスト・インターナショナルカレッジ
日本で英語を教えた経験のある私からのアドバイスは、話す機会を増やす努力をして、機会を利用すること。カナダに留学している日本人の生徒には、日本人とばかり行動してせっかくの機会を生かさず英語がさっぱり伸びない人と、たとえ英語力が未熟でも、積極的に英語を話す機会を作ってどんどん上達する人の2種類がある。ぜひ後者になってほしいものだ。分からなかったらそのままにせず、間違っても良いから先生に質問することも大切だ。
また、最近の傾向として「文法は学ばなくても良いから、スピーキングとリスニングの力をつけたい」という声を多く聞く。しかし、まだ基礎のない人はある程度文法もやらないといつまでたっても上達しないので、中級レベル以下の人は文法もしっかり勉強することをお勧めする。 学校以外で英語力を伸ばすには、テレビを見るのも良いと思う。私も日本にいた時は「ロンドンブーツ」、「銭型金太郎」、「僕のマドンナ」、「ダブルスコアー」などを見て、日本語の勉強をしたものだ。音楽が好きな人は、北米の人気番組「マッチモアミュージック」なども良いと思う。とにかく周りにある機会を十分に生かしてみてほしい。
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