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Ritsumeikan at UBC

立命館・UBCジョイントプログラム・
レポート18

丹下 友紀子 さん

丹下 友紀子
(たんげゆきこ)さん
産業社会学部、情報メディア学系、二回、愛知県出身

趣味はスノーボード、人と話すこと。
将来はレポータとしてテレビ局で働きたい。


初めてボランティアに挑戦

  私は日本でボランティアというものをしたことがなかった。ボランティア精神のかけらもなく、「お金ももらえないのに、なぜ人のために自分の時間を割かなければいけないのか」とさえ思っていた。しかし、せっかくカナダに来たのだから、英語以外にも何か自分に変化が欲しいと思い、今までやったことのないことに挑戦しようとボランティアを始めた。また、立命館から100人もの学生がUBCの留学プログラムに参加しているので、自分から行動しなければ現地の人と接する機会なかったので、やれることは何でもやりたかった。

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  カナダでは、ボランティアの位置づけは日本よりしっかりとしていて、社会的にも認められている。あえていえば、お金のもらえないバイトという感じである。日本のボランティアのイメージは弱者を助けるという感じだが、カナダでのボランティアの職種は多様である。その中で、私はラジオ局を選びボランティアを始めた。少しでも現地の人と関わる時間を増やしカナダをもっと知りたかったからだ。また、日本でメディアについて学んでおり、マスコミに将来進みたいと考えているので、ラジオ局は私にとってうってつけで、カナダのマスコミ業界を見てみたかったのも理由の一つだ。

 

忘れていたものに気が付かされた

  好奇心で始めたボランティアだったが、実際の仕事は思っていたものと全く異なっていた。英語を上手に話すことができないため、任せてもらえる仕事はごく限られていた。イベントの準備、後片付けなどの雑用で、日本のテレビ局のバイトとは全く違う。私が求めていたものと異なり、始めはすごく落胆した。重要な仕事ができないことで、「私は何の役にも立たないのではないか、逆に迷惑をかけているのではないか」と考えたり、自分の無力さに自信をなくしかけて、何度もやめようかと思った。しかし、同じボランティアの人や、同じようにマスコミ業界への就職を志している人と話すうちに、自分勝手な考えを情けなく思った。

  「たとえどんなに単純なことでも、やり続けることに意味があるのではないか」
そう思い、今でもラジオ局のボランティアを続けている。そしてボランティアを通して、今まで忘れかけていたことに気づくことができ、多くのものを得た。言葉の壁に大きく突き当たったのも、ボランティアを通してだ。やっていることはすごく単純なことだけれど、それをやり続けることで見えてくるものはたくさんある。また、やり続けることさえできなければ次のステップへは進めない。
また、自分がボランティアとして働くよりも、周りの人に支えられることのほうが多かった。始めは友達もいなく、不安だった私には、周りの人の支えがすごく心強かった。そのことで人の大切さに気づいた。きっとカナダに来なければ気づかなかったことだと思う。今まで、一人で生きてきた気分になっていたし、なんでも自分一人でできると思っていた。人に感謝するという本当に基本的なことを私は忘れていたのだ。それを思い出させてくれたこの留学に感謝したい。そして、日本に戻ってから、今度は私が誰かの支えになりたいと思う。留学したことで、たくさんの人と関わり、今までの自分の状況とかけ離れた環境に身を置くことで、今まで分からなかったことに気づけ、考え方、ものの見方も少しずつ変わってきている。このことはどこかで、きっといつか役立つ経験となることだろう。


立命館・UBCジョイント
プログラム


  立命館大学とUBCが共同で開発したカリキュラムに基づき、学力と語学力の向上とともに、カナダでの生活体験を通して国際人として成長することを目指したプログラム。立命館大学と立命館アジア太平洋大学の学生100名が毎年UBCに1年間留学し、言語教育科目や環太平洋研究、異文化間コミュニケーション等を受講し、インターンシップ活動にも参加している。

 

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