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今年の私の目標の一つに体質改善がある。
私は冷え性がひどく、冬は特に手足が冷えてしまうため、寝る時も使い捨てカイロを背中とお腹に貼らないと眠れない。というわけで、一月の終わりからヨガに通うことにした。ヨガは、カナダではひじょうに人気が高いが、ビクトリアでも町中大流行で、ヨガ教室がダウンタウンに数件あり、学校の体育プログラムにも取り入れられている。本当は、ヨガよりもバレエをやりたかったのだが、申し込みの時期を逃してしまったので今回はあきらめた。
ヨガについてさほど予備知識のなかった私は、バレエに比べてヨガは運動量が少ないと思っていた。ところがヨガを始めてみると、かなり体力を使うエクササイズであることがわかった。

私の行っているヨガは、「ホット・ヨガ」と呼ばれるもので、室内が真夏のように暑く保たれている。そのなかでヨガのポーズをインストラクターの指示に従い90分行う。初めて参加した時は、息をすることすら大変だった。
次の日には、なまっていた体が悲鳴を上げた。友達曰(いわ)く、「スノーボードを初めてやった次の日のようだ」。
私はそこまではならなかったけれど、背中から太ももまで筋肉痛を感じた。
二週間続けてみたら、今までどんなに激しい運動をしても減らなかった体脂肪が減り、肩こりも解消され、冷え性も前ほど感じなくなってきた。ストレスもだいぶ発散できているように思える。これから三ヶ月は頑張って続け、自分の体調がどう変わるか見てみようと思う。

さて、今年から新しく移った借家では、なかなか快適に過ごしている。ダウンタウンからも近い。この地域は低所得者が多く住み、治安が良くないという人もいるが、今まで危険を感じたようなことは一度もなく、静かで穏やかな場所である。
オーナーは男性で、あまり話さない人だが、口うるさく、とやかく言われないから楽である。女性が入ってきたということでいろいろ気を使ってくれているようだ。普段は外出していることが多く、家にいる時はほとんど一人で猫と一緒に遊んでいる。猫は二匹、雄と雌で仲は悪い。でも、最近は、いつも私の部屋で二匹そろってベッドやソファーで寝ている。暖かくなってきて、毛の生え変わりの時期らしく、私はくしゃみの止まらない時があるけれど、猫好きなので、なついてくれるのはうれしい限りである。このように、家が快適なのは心が休まるもので引越しはもうしたくない、と願っている。

学校の方は、心理学、数学、中国語、人類生物学、哲学の5教科を一学期間に取ることは困難だと気がついた。5つの教科を取ることはカナダ人ですら大変なようで、外国語である英語ですべての授業をこなさなければならない私にとっては無理だった。私は特別、頭のキレが良いわけでも、要領が良いわけでもないので、勉強に余計時間がかかる。すべての教科のスケジュールを点検してみたら、なんとほとんど毎週のようにテストやら課題やらがある。そこで、今期をスタートして一ヵ月が過ぎた時点で、5教科を取り続けることですべての教科が中途半端になるようでは困ると考え、哲学を落とすことにした。哲学は、二年目になったら、再度取ることにしようと思う。

どの教科を落とすか考えた際に、自分にとっては心理学に対する興味が一番深いことを再認識した。
今、心理学で習っていることは純粋に楽しい。子供の誕生から始まり、どのような環境が、どのように子供の成長に影響するかを学んでいるが、将来、自分が母親の立場になった時にとても役に立つだろう。そういう理由からか、心理学を取っている生徒には女性が多い。ただ、これだけ心理学が好きでも、卒業するにはそれ以外の教科もパスして単位を取得しなければならないのが、大学生活の痛いところではある。

ビクトリアに来て、早くも二年が過ぎた。
正直なところ、留学生活の疲れを感じることもあるこの頃でもある。物事がうまく行かない時は、このまま投げ出して日本に帰っても良いとさえ感じる。それでも、最近、本当の友だちと呼べる人たちに出会うことができた。カナダ人である彼らは留学生である私とは違った環境にあるが、皆、それぞれに問題を抱えている。カナダは多民族で構成され、個人主義であるために、時として協調性や人間関係の希薄さを浮かび上がらせることがある。こうした環境が生んだ問題に直面している彼らの心境を私に語ってくれたことが、私を力づけてくれた。