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カナダの大学には入学試験はない。高校の成績から総合的に判断し、入学が許可されるシステムだ。留学生も、英語力さえ基準に達していれば、特殊な学部でない限り入学が可能だ。しかし、高校から大学に進学することは、地元の学生にとっても大きなチャレンジである。先生が見守ってくれていた環境を離れ、すべてを自分で判断しなければならない環境に移るからだ。加えて、勉強量も格段に多くなる。当然、英語を母語としない高校を卒業したばかりの留学生にとって、大学留学を成功させることは簡単ではない。
そこで、推薦できるのが、カレッジを経由して大学に編入するシステムだ。
カナダの大学には入試がないとはいえ、大学が募集する学生数には制限があるため、だれもが希望する学校に進学できるわけではない。このため、希望大学に入れなかった学生の多くはカレッジに入学し、カレッジの大学編入プログラム(University Transfer Program :UT プログラム)を経て大学に編入している。
UTプログラムとは、4年制大学の一般教養課程(1、2年)に相当する科目、または大学が認める科目を学ぶもので、単位修得後に大学への編入を可能にするものだ。
カナダやアメリカの大学に進学を希望する日本人留学生にとって、このUTプログラムの利用価値はひじょうに高い。さらにカレッジは大学と違い、英語力の足りない留学生用に語学クラスを設置しているところも多く、留学生にとってはますます魅力のある存在となっている。

カナダのカレッジとは?

カナダには約140校のカレッジがあるが、これらのカレッジのほとんどは州立で、準学士号(Associate Degree)が取得できるアカデミックコースとともに、実社会で即戦力となる技術を習得する職業訓練コースを備えている。
職業訓練コースは、数週間のものから2年や3年の長期的なものまで、プログラム内容によって様々だが、コース修了後は、サーティフィケートまたはディプロマを取得できるのが一般的だ。就職に有利なこれらのコースは、生涯教育の一環としても地域住民の間でたいへん人気がある。
UTプログラムは、アカデミックコースの一部で、カナダのほとんどのカレッジが大学編入協約(University Transfer Agreements)制度をもち、カナダ全国の約90の4年制大学(ほとんどが州立)との間で編入制度を積極的に行っている(特にブリティッシュ・コロンビア州とアルバータ州にはUTプログラムに力を注いでいるカレッジが多い)。
UTプログラムを利用すれば、学位取得のために必ずしも4年間を大学で過ごす必要はなく、自分の学力や経済的な条件に合わせて、カレッジや大学を選び、準学士号または学位取得のための必要単位数を満たしていくことができる。

カレッジのUTプログラムの利点

留学生に適した環境
カレッジは、一般的に大学よりも規模が小さいため、教授や助教授との触れ合いも多い。大学の場合は1クラスの受講者数が数百人以上のことも多いが、カレッジではクラスが小人数で、担当の教授が生徒の課題の確認を行い、一人ひとりの学生について把握していることが多い。また、一般的に、カレッジはより親切に留学生の受け入れに対応しているため、留学生活をよりスムーズに送れることが多い。

入学が容易
大学に入学する場合、ふつう、TOEFLのスコアが237点(ペーパー580点)以上なければならないが、カレッジの場合は学校ごとに様々な入学方法があり、TOEFLスコアを必須としない場合もある。また、英語が基準点に至らない留学生にも、カレッジのESLをとりながら、同時にUTプログラムを受講する条件で入学を許可しているカレッジもある。

授業料が安い
カレッジの授業料は学校により異なり選択するコースにもよるが、大学の授業料に比較すると安い場合が多い。学究レベルは一般的に大学の方がカレッジよりも優れているが、コースの内容に大差がないクラスも多いため、同じ内容のコースをカレッジで安くとれるなら、それに越したことはないわけだ。留学生の授業料はカナダ人の授業料よりも高いが、それでもカレッジの方が安い場合が多い。

ユニバーシティー・カレッジで学位取得も可能
カナダには、大学とカレッジの機能を併せもつ「ユニバーシティー・カレッジ」と呼ばれる学校がある。もとはカレッジだった教育機関が大学に近い規模へと拡大したもので、同じ学校のなかでUTプログラムが盛んに行なわれている。編入情報も入手しやすく、様々な科目を組み合わせることが可能であるため、各自の学習目的を達成するための好条件がそろっている。

クワントレン・ユニバーシティカレッジ
Kwantlen University College www.kwantlen.bc.ca

ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーの公立カレッジで、BC州内の大学に編入する学生数が同州内で最も多い。学士号を取得できる学科もあり、他のカレッジや大学からの編入生も受け入れている。同校の学士号取得学部は、産業界のニーズを反映した実践性が特徴となっている。

学士号コースの学部例:

  • 文学部
  • 経営学部
  • 看護福祉学部
  • 応用デザイン学部
  • 園芸学部
  • 理学部
  • 応用科学技術学部

要求される英語力に満たなくても、TOEFLのスコアを必要としない入学準備英語コースへの入学が可能で、英語力が上級に達すれば、1つまたは2つの大学コースを履修しながら大学編入することもできる。

ユニバーシティカレッジ・オブ・フレーザーバレー
University College of Fraser Valley www.ucfv.ca/intl_ed
BC州バンクーバーの郊外、アボッツフォードにある学生数6500の公立カレッジで、UTプログラムと呼ばれるコースはないが、大学に単位の移行が可能な12の学士号と60のサーティフィケート・プログラムを行っている。
マラスピーナ・ユニバーシティ・カレッジ
Malaspina University College www.mala.ca
BC州バンクーバー島のナナイモにある私立カレッジで、経営学修士(MBA)、学士号、UTプログラム等を行っている。UTプログラムは一般教養から商業、教育、美術、音楽、工学などは幅広く、1年または2年修了後にBC州大学、ビクトリア大学、サイモン・フレーザー大学を始め、BC州北部や北米内各地の大学に編入可能。
ノーザンライツ・カレッジ
Northern Lights College www.nlc.bc.ca
アルバータ州エドモントンにある公立カレッジ。カナダで最も規模が大きい技術専門学校の一つで、世界の経済界で活躍し成功する人材を育成している。情報技術、電気・電子技術、機械・製造技術、建築科学、健康科学、経営、ホスピタリティー、料理、資源環境科学など、190以上の職業技術系プログラムも用意し、アルバータ州におけるさまざまな技術職の訓練プログラムも行っていることで有名。
グランド・プレーリー・カレッジ
Grand Prairie College www.gprc.ab.ca
アルバータ州のジャスパー国立公園から車で4時間程のグランドプレーリーにある公立カレッジで、一般教養、経営、教育、体育、科学、コンピューター・サイエンスなど多岐にわたる2年間のUTプログラムがある。入学時に英語力が不足している場合は、同校のESL を受講し、レベル7まで終了すれば単位取得コースに編入することができる。
ファンショー・カレッジ
Fanshawe College www.fanshawec.ca/international
オンタリオ州ロンドンにある公立カレッジ。有給のインターンシップがある16ヵ月の学士号取得コースを経て大学に編入するプログラムと、会計、ホテル業務、飲食業管理運営、環境テクノロジー、看護、メディア、幼児教育などのコースを2から3年間取った後で、提携している大学の3年または4年に編入するプログラムがある。また、同校のプログラムを修了した場合、カナダ国内で1年間就労することも可能だ。

カナダの大学の種類と特色

1. 大学院博士課程のある大学。
・高度な研究活動プログラムを展開する大学で医学部もある 。
・都市部にある総合大学で設備が充実している。
・留学生の受入れには制限があり、入学はひじょうに難しい。

2. 大学院レベルの学部大学
・学部・大学院レベルで、MBAなどの学位を含む幅広いプログラムをもつ。
・都市部にある総合大学で設備が充実している。

3.学部教育を重視する大学
・特定の学部を集中的に行う。
・カナダ東部に多く、ほとんどが全学生数3000人程度の規模で、人文系学部が充実しているのが特徴。