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カナダの大学は大半が州立で、学位取得ができる大学とそうでない大学がある。学位を取得できるのは総合大学と学位授与権のあるカレッジで、カナダ全国に約93の学位授与権をもつ高等教育機関(カレッジと呼ばれる専門学校を含む)がある。大学とカレッジの入学資格は、中等教育課程を修了(卒業)して、必要なコースで規定以上の成績を取得した者に限られている。ただし、ケベック州の場合は例外で、同州では初等・中等教育が11年間で他の州の12年間よりも短いため、カレッジ(2年間)の卒業資格が必要となっている。

大学の種類

  1. 大学院博士課程のある大学
    高度な研究活動プログラムを行う大学で、ほとんどに医学部がある
  2. 大学院レベルの学部大学
    学部・大学院レベルで、MBAなどの学位を含む幅広いプログラムをもつ
  3. 学部教育を重視する大学
    特定の学部に限定して集中的な教育を行う

1と2のタイプは、ほとんどが都市部にある総合大学で人気も高く、設備も充実している。大学間との密接なネットワークをもち、実社会の最新の情報を反映させた質の高い教育機関といえる。3はカナダ東部に多く、ほとんどが全学生数3,000人程度の規模で、人文系学部が充実しているのが特徴。少人数クラス(20〜30人程度)が多く、行き届いた指導が期待できる。

カナダの大学のレベル
カナダの大学の質は世界的にも高く、質にさほどばらつきがない。北アメリカの優秀大学ランキングを評価するゴーマン・レポートによると、工学部門で見た場合、ベスト10にトロント大学、マギル大学、ブリティッシュ・コロンビア大学、マックマスター大学の4校が入っている。カナダの大学の学位は、通常、イギリス連邦諸国やアメリカの学位と同等に評価されている。ただし、日本での評価は、日本の大学や企業の判断に委ねられている。

学期
大学の新学期は9月に始まり、翌年の4月に終わる。多くが2学期制で、例外として3学期制をとる大学もある。2学期制の大学は9月または1月、3学期制のところは9月、1月、5月に入学の申し込みができる。多くの大学では、休暇中の5〜8月に受講できるプログラムを用意している。

入学条件と費用
冒頭に記した入学条件に加え、規定に達する英語力(またはフランス語力)と、留学中の費用が問題なく支払えることが条件となっている。入学条件は、同州内の大学では大差ないが、厳密には各大学により異なる。
英語力(フランス語力)は学校によっても異なるが、TOEFLで550〜600点(コンピューター213〜250点)、IELTSで6.75〜7.0、MELABで85〜95点が必要で、TWE(英文エッセー・テスト)の成績が必要となる学校もある。
学校の費用は、授業料が$6,000〜17,000/年(大学や専攻で大きく異なる)で、その他に教科書代や野外活動費などで、年間$1,000〜3,000かかる。 滞在費は、大学寮(1人部屋・食事付き)$3,900〜7,800/8ヵ月、(2人部屋・食事付き)$3,200〜7,000/8ヵ月で、ホームステイをした場合は$550〜900/月かかる。
アパートの場合は$700/月以上で、食費が$400/月以上となる。その他、市内の交通費等、$100前後が必要になる。(注:単位はすべてカナダドル)

入学手続き
留学希望者が直接、志望大学に願書を送って手続きを行う。ただし、オンタリオ州だけは例外で、学部入学申請をする場合は、すべてオンリオ州大学入学申請センターを通じて行わなければならない。しかし、志望大学に関する情報は、その大学に直接問い合わせることになっている。
入学願書は大学から取り寄せたものか、大学のホームページにあるフォームを利用し、その他必要な資料と合わせて送付する。書類はすべて英文で作成しなければならない。

  1. 学校指定の入学願書(Application Form)に記入
    氏名、生年月日、年齢、学歴、国籍などを記入。
  2. 成績証明書(Transcript of Records)
    最終在籍学校の過去2年間、最新、最終のいずれかの成績証明書を出身校または在籍校で作成してもらったもの。
  3. 卒業証明書(Diploma)
    出身校で作成してもらうが、高校・大学に在学中の人は、在学証明書と卒業見込み証明書を作成してもらう。学校から「2」と「3」が和文で出された場合は、それを英訳したものに(本人でも第三者でも可)大使館の認証をもらわなければならない。認証については、大使館領事部が説明してくれる。
  4. 申請料(Application Fee)
    ふつう$65〜100程度で、学校指定の銀行口座に振り込む。現金またはクレジットカードで振り込んだ場合はそのコピーを、銀行の送金小切手で送る場合は小切手を同封する。送金手数料は、申請料から引かれないように要注意。
  5. TOEFL または IELTS のスコア
    カナダの場合、TOEFLのスコアはセンターから直接大学に送ることになっているので、学校を決めてから受験すること。
  6. ホームステイ先または寮などの手配依頼書
    学校が用意したフォームに必要事項を記入する。

審査にパスした場合、入学内定書または入学許可書が送られてくる。入学内定書の場合は、学校によって多少異なるが、1学期分の授業料の納入や専攻分野のカリキュラム編成の記入などを要求されることがある。入学許可書が届いたら、カナダ大使館に提出して就学許可証(学生ビザ)の申請を行う。

TOEFLについて
留学希望者の英語力を判定するために使われる「英語能力判定テスト」TOEFL (Test of English as a Foreign Language)は、聴解力、文法・文章表現、読解の3部門で構成され、最高点は677点となっている。テストは毎月行われ、数回受験した場合は、2年以内であればいちばん高いスコアを提出することができる。

大学院
TOEFLで560点以上が大部分の英語系大学で求められるレベルで、IELTS、MELAB、CanTESTなど、国際的に認められている他の英語試験での判定も受け入れている。また、大学院では適切な指導教官を選ぶために多くの時間が必要となるので、入学申請はなるべく早期にすることも大切だ。
授業料は、通常、カナダ市民や永住権保持者より高額だが、カナダ国際開発庁(CIDA)の資金提供や、州政府・外国政府間の相互協定のもとで留学する場合、授業料免除資格やカナダ人学生と同額の授業料を払う特典が与えられる場合もある。

授業料と留学生向けのアシスト
大学院の授業料は大学ごとにまたプログラムごとに異なる。大部分のカナダ人大学院生は所属大学から何らかのタイプの財政援助を受けることが期待できるが、現実には、多くの学生(特に専門職をめざす修士プログラムの学生)が学生ローンに頼る傾向にある。財政的な援助は大学院育英資金、奨学金、助成金、研究・特別奨学金(フェローシップ)、教育補助金等を通じて供与されている。大学院奨学金の競争は激しく、一般には入学時の平均点に基づいて決められる。大部分の大学では奨学金や他の財政援助には別個の申請を必要としないが、いくつかの研究機関では大学院入学許可証に記載されている情報に加えて、財政援助申請書へさらに多くの情報の記入が求められることもある。

連邦政府の奨学金制度には、NSERC(自然科学・工学研究会議)、SSHRC(社会・人文科学研究会議)、CIHR(カナダ保険研究機構)などがあり、加えて、政府・民間部門の奨学金プログラムも利用できる。民間部門の奨学金プログラムは特定の学問分野と結びついていることも多く、女性や少数派グループ、あるいはその他の特定グループの参加を高めるためにも設定されている。

一部の奨学金は、既に大学院プログラムに受け入れられた学生のみが奨学金獲得の競争に参加できることになっているが、大学院進学予定者にも開かれたその他の奨学金は、希望するプログラムに進学できる機会を広げてくれている。特に科学や工学関係の研究志向プログラムに参加している大学院生の多くは、財政面では指導教官を通してその研究補助金の中から支援をうけている。

財政援助のもう一つの財源として、州のローン・プログラムがある。収入や資産と学費とのギャップをカバーするために設けられたもので、一般に大学院生は自活者とみなされているので、通常、両親の収入はローンの額を決定する要因にはならない。また、ローンには研究を続けている限り金利はかからない。

カナダ大学院協会(CAGS)は、大学支援プログラムを経ないで行うフルタイム・パートタイムの就労について、警告を発している。経済的な理由で大学院への留学が失敗に終わるケースも多いので、CAGSは、緻密な経済計画が成功の鍵であると注意を促している。奨学金や助成プログラムの締切りは大学への出願締切りに先立って行われるため、経済面での計画立案は願書提出の少なくとも10ヵ月前に開始すべきである。

入学基準
大学院への入学基準はそれぞれの大学ごと、またはプログラムごとに異なる。一般的には、修士課程への入学には優等学士号(またはこれと同等のもの)や優れた学問上の地位が必要だ。この条件を満たさない場合、もう一年の追加研究が課せられる条件付きで入学が許可される場合もある。一般に、博士課程に進学する際に修士課程で優良な成績を収めていることが求められ、専門性に重点をおく修士課程では、希望する研究分野での就労経験を要求されることがよくある。

また、専門性を志向するプログラムでは、公式の成績証明書に加えて、標準テストの正式な点数を提出するよう求めるケースがある。最も一般的なテストは大学院進学適正試験(GRE)か大学院経営学修士進学適正試験(GMAT)だ。

大部分の大学院は、研究能力や適性を証明する教授や研究者などからの、2〜3通の推薦状を願書に添えて提出することを求めている。また、大部分の大学では学問・職業上の目標や大学院プログラムに申請する理由を明記した、レポートが必要となっている。