北米では、卒業後に即就職が可能な専門学校の人気がますます高くなっている。学歴よりも先端技術を身につけた人材を今すぐ必要とする職場が多いからだ。カナダの専門学校の受講者は、高等学校卒業後そのまま入学する人から、キャリア・アップの目的で受講する社会人、キャリア・チェンジで一旦職場を退いて学生に戻る社会人など幅が広い。こうしたカナダ人と席を並べて学ぶのが、「キャリア留学」だ。
修了証と資格を取得 キャリア留学ではサーティフィケート(修了証書)とディプロマ(資格)を取得する。サーティフィケートは1年未満の短期コースが大半で、授業はさほど難しくない。ディプロマは8ヵ月以上のコースで定期的に試験があり、授業内容も難しく、コース終了時に総合試験に合格しない場合は資格が取得できないため、サーティフィケートよりは重みがある。しかし、ディプロマにも種類があり、世界で通用するものと限られた地域のみで通用するものがあるので確認が必要だ。専門学校の種類と特徴 専門学校の種類は多く、質の高い授業が受けられるが、学校の規模は一般的に日本の専門学校よりも小さい。私企業法に基づいて運営されている組織なため、利益追求型のビジネス組織のイメージも受けるが、規約や形式にとらわれることがなく、業界の現状や人材を求める企業の需要を取り入れたプログラム作りを行い、各校が独自の特色を出している。また、学校同士の競争が激しいことも、レベルを高く保つ原因となっている。 専門学校には、オフィス業務を習得するためのキャリア・カレッジ、貿易、マネージメント、会社経営などを学ぶビジネス・スクール、ウェブ・デザインやプログラミングを学ぶコンピューター・スクール、特殊技術や職業訓練を基本目的とするボケーショナル・スクールがあり、高等学校から語学学校や専門学校をすべて含んだ学校もある。ボケーショナル・スクールの教科種類は旅行、ホテル、レストラン、医療、介護、ソーシャル・ワーカー、メイクアップ、モデル、看護士、美容、料理、音楽、美術、教師、児童教育、通訳、映像、アニメーション、スキーやスノーボードのインストラクターなどとひじょうに幅が広い。 専門学校の特徴は、入学時期が多く受講者の希望でほぼ一年中始業可能で、大学や短期大学(カレッジ)に比べて要求される英語力が低く、一部を除き学費が安いことなどだ。
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