スタディ - 留学・英会話
My High School Experience

海を渡った高校生
大島あゆみ(おおしま・あゆみ)さん

 

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大島あゆみ さん
(おおしま・あゆみ)

神奈川県出身
Aldergrove Community Secondary School 11学年在籍中・19歳

上写真:学校の仮装パーティーの日に友人と

中3の短期留学がきっかけで高校留学

小さな頃から英会話教室に通い、英語が身近な存在だったあゆみさんは、中学3年生の夏休みに、短期留学プログラムに参加した。滞在先は、カナダBC州の首都ビクトリア。英国調の美しい街並みが有名で、世界中から観光客が訪れるビクトリアでの数週間は、中学生のあゆみさんにとってひじょうに楽しいものだった。
帰国後、語学教育に力を入れている私立高校に入学し、国際科を専攻した。その学校では交換留学制度が実施されており、あゆみさんの家でもオーストラリアからの留学生を受け入れたことがある。

 

そんな環境のなかで、高校留学は自然な成り行きだった。日本で英語を学ぶより、もっとストイックな状況で集中して勉強した方が良いとの思いもあった。両親も「英語と学歴は残る」と、留学を積極的に後押ししてくれた。そして2004年の9月、カナダ・バンクーバー郊外のオルダーグローブに留学。留学先をカナダに決めたのは、ビクトリアを訪れた際の印象が良かったのと、治安の良さから。そして、「なるべく日本人留学生のいないところに」という理由から郊外を選択した。編入先のAldergrove Community Secondary Schoolには、あゆみさん以外日本人は1人しかいない。オルダーグローブは、バンクーバーから東南に車で1時間ほどの、自然が豊かな小さな街である。

 

会話のきっかけ作りは日本製の小物で

英語力を向上させる上で学んだことは、英語圏に住んでも、日本人同士で集まろうと思えば簡単であり、その方が気持ちも楽なことから、「自分の努力が最も大切」だということだった。そしてダウンタウンでも、郊外でも、英語の上達はやる気の問題であることにあゆみさんは気付いた。学校で唯一の日本人の友人とは、必要な時は助け合うが、お互いのため、良い距離感を保っている。
「遊学と留学は目的が違う」というのがふたりの合言葉だ。

 

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学校の遠足で

あゆみさんが留学直後から気をつけていたのは「人と目が合ったら笑顔を返す」こと。元々は内気で、間違った英語を話すことが怖かった。「それでは英語力もつかないしダメだ」と気付き、積極的になるように努力した。会話のきっかけとなるよう、和風の柄の帽子を被って登校したり、日本製のブーツを履いてみたり。案の定、「それどこで買ったの?かわいい!」と、声を掛けられた。日本製だと知ると皆うらやましがり、「いつか日本へ一緒に行こう!」と会話が弾んだ。こうして、今は知らない人とも平気で話ができるようになった。この1年余で大きく自分が変わったことを実感している。

 

両親に感謝、そして日本を誇りに

カナダの生活は日本と比べて質素だが、仲良しの台湾人や韓国人のクラスメイトたちと一緒に家で映画を見たり、ゲームをしたりと、たわいないことがすごく斬新で楽しく、「お金を使わなくても楽しめる」という発見となった。

 

みんなで集まって鍋パーティーを開催したこともある。出身国によって違う鍋のダシやタレに驚いたことも良い思い出だ。日頃から文化の違いを意識することは多い。バスの中で知らない人同士が会話をすることにも初めはびっくりしたが、「今はそういうところがカナダの良いところ」だと感じる。先生やおとなと対等に話せるところも気に入っている。

 

甘えたい時期に親元を離れたことで、寂しさも強かったし、ホームシックにもなった。パンやパスタが続く食事で肌荒れを起こし、体に合った物を摂取するために、生まれて初めて自分でご飯を炊いたり、アジア系のスーパーに買出しに行って料理をすることもあった。 留学すると、問題が生じた時にも自分で判断して解決しなければならない。あゆみさんは1年前にホストファミリーを変わったが、その時も自分で学校のカウンセラーに相談して解決した。そんな日々を過ごし、あゆみさんは当たり前に思っていた両親の存在が「これほどありがたいものだったのか」と改めて認識できるようになり、心から感謝している。また、日本の素晴らしさにも気付き、誇りに思うようになった。

 

留学を通じて広がった未来

現在取っている授業は、家庭科(テキスタイル)、英語、社会科、ドイツ語。日本にはない科目を受講したことで、「カナダに来てやりたいことや選択肢が増えた」。初め1年間の留学の予定だったが、あゆみさんは延長を希望し、オルダーグローブの高校を卒業することに決めた。今はカナダで大学に進学することも考え始めている。

 

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