橋本名津雄 “カナダでの経験は、立命館のみならず日本社会にとってもひじょうに意味のあるものと考えている” カナダに来て5ヵ月になってから、留学で残された日数を数えるようになった。UBCで 第2タームを迎えた今、一緒に留学したクラスメートたちも残りの月日を意識せずにはいられないようだ。 立命館大学は、カナダ・バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)と共同で開発したカリキュラムに基づき、学力と語学力の向上とともに、カナダでの生活体験を通して国際人として成長することを目指したプログラム、「立命館・UBCジョイント・プログラム」を行なっている。1991年度から開始され現在まで続いている歴史のあるプログラムで、毎年、立命館大学と立命館アジア太平洋大学の2回生を中心に全学部から選考された100名の学生を、9月から翌年の4月まで7ヵ月半あまり派遣するものだ。 「立命館・UBCハウス」は、両大学の学生が共同生活を送り交流を深める目的で立命館とUBCが協力して建設した寮で、スウィートと呼ばれるユニット(4つの個室と4名が共同で使用する台所・居間・浴室等が1つにまとまったもの)が50ある。また、コンピューターを備えた最新のLL教室や、英語の授業に使用するセミナールームなのどの学習環境も整備され、新入寮生歓迎パーティー、ゲーム大会、スポーツフェスティバル、音楽会などの学生企画も行われている。 プログラム開設当初は「立命館・UBCハウス」に全ての派遣学生が住んでいたが、現在は学生のニーズも多様化し、UBC内にある「トーテムパーク寮」や「プラス・バニエ寮」(いずれも一人部屋、キッチンなし、バス・トイレはフロアで共有)、「ゲージ・タワーズ」、「サンダーバード寮」、「フェアビュー・クレセント」といった寮にも入寮している。しかしながら、「立命館・UBCハウス」は現在も「立命館・UBCジョイントプログラム」のシンボルとなっている。 2年間の長期留学制度を追加近年、7ヵ月半のプログラムに加え、1年間留学延長ができる制度が設置された。これは、時代とともに学生のニーズが多様化し、短期間の留学を希望する学生がいる一方で、海外での体験ならびに勉学を深めたいという学生が増えている現状に応えたものだ。2年間プログラムは、最初の7ヵ月半に優秀な成績を収めた学生が対象になり、UBC正規開講科目をより多く受講すると同時に、インターンシップの参加を促し、学生のさらなる飛躍を期待している。 ボランティアで視野を広め国際感を養う留学生が勉学のみに専念してしまうと、カナダ社会との接点が薄れてしまい、カナダ社会を感じることなく、帰国してしまうことになりかねない。そこで7ヵ月半のプログラムでは、ターム1(9月〜12月)の言語教育科目のカリキュラムのなかでボランティア参加することが原則的に義務となっている。 本プログラムのボランティアは大きく、2種類に分かれている。 カナダでボランティアするにはポリスチェック等、日本ではないいくつかの手続きが必要となる。また、学生が英語でボランティア先を探し、面接を受け、無事採用されるまでにはいくつかのプロセスを経なければならない。そこで当オフィスでは、ボランティア先を学生に紹介したり、手続きについてアシストするなどの支援を行っている。 初めてインターンシップ学生を輩出ボランティアよりも内容が一歩進んだインターンシップ・プログラムは、UBCからの協力も得て、受け入れ企業の開拓、企業に受入れられるための各種トレーニング、フォローアップ等を行っている。日本人学生にはなかなかハードルの高い取り組みだが、今年度ようやく立命館学生からインターンシップとして認められる学生が輩出された。 |