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Ritsumeikan at UBC

立命館・UBCジョイントプログラム
・レポート15

立命館・UBCジョイントプログラム

高橋亜土
立命館大学文学部国際プログラム
3回生。大阪府出身。

国際開発、報道・広告等のメディアに興味があるが、将来については現在模索中。趣味は散歩、カフェ巡り、活字


バンクーバーの8ヵ月間で私が得たもの

 8ヵ月の留学を経て、私のなかで意識の変化があったことをはっきりと感じる。以前なら「将来なんて漠然としすぎていてわからない。だから与えられたものをこなして周りをよく見ていよう」というスタンスだった。しかし今では「一歩外に踏み出して新たな世界を知りたい」と前向きに考えられるようになった。私に大きな転機をもたらしたのは、現地の日本語新聞社でのインターンシップとカナダ東部への一人旅、そして、カナダに暮らす人々の考え方に接したことだと感じてる。


アルバイトでは見えなかった現実の社会  インターンシップは驚きと発見の連続だった。ほんの短い期間だったが、それまで知らなかった「社会」の姿が見えてきて、自分が社会に対していかに無知であるかを思い知らされた。最初の日を終えたとき、私は、「仕事に取り組みながら、できるだけ周囲を観察することにも集中する」ことを決めた。 実際に接したビジネス社会は、想像以上にシビアなものだった。新聞社についていえば、読者からの信用や期待に応えることは当然ながら、広告主や社会からの信用も維持しつつ、きちんと利益も上げて給与の確保もしなければならない。「そんなこと当然だ」と思っていたが、実際に体験してみるとその理論は机の上のものではなく、現実なのだと感じた。それまでのアルバイト経験からは決して見えてくることのなかった世界。インターンシップでの体験は、将来を考えていかなければならない立場にいる私に、現実的なビジョンを示してくれた。


立命館・UBCジョイントプログラム

トロントへの一人旅

 トロントに住むカナダ人の友人に会いにいくことは留学前から決めていて、連絡も取り合っていた。しかし決まっているのはそれだけで、お金に余裕がなかった私は費用を浮かせるための手段をインターネットで調べたが、旅行に対する知識もない上に、英語のサイトばかりで本当に骨が折れた。 自分のつたない英語力で搭乗手続きをしなければならないこと、1週間もカナダ人家庭でステイすること、初めて訪れる街を迷わないように回らなければならないこと、トロントの後でまったく知識のないフランス語圏の都市へ足を伸ばすこと、帰りのフライト時間の関係でピアソン国際空港で1泊しなければならないこと・・・。不安要素があまりに多くて、出発日が近づくにつれて期待感は高まるどころか不安が募る一方だった


カナダ人の家庭で経験したクリスマス

 トロントの第一印象は、寒さやその混雑ぶりのため最悪だった。ところが、実際にいろいろな場所を回ってみたらトロントが大好きになった。寒い中でもおしゃれを楽しむ人々や、トロント大学や州議事堂などの建築物の美しさ・・・。市役所前のスケートリンクは特にお気に入りの場所となった。ビジネス街のど真ん中で、そこだけが切りとられたかのように人々の遊び場となっているのが、いかにもカナダらしいと思えたからだ。  友人の家で過ごしたクリスマスは本当に素晴らしいものだった。友人、その家族、そして遠くからやってきた親戚の人達も親切に接してくれ、カナダ式クリスマスを大いに楽しませてもらえた。NHLやフットボールの試合を見たり、カナダと日本の政治問題や社会問題などについて話したり、本当に有意義な時間を過ごすことができた。トロントからモントリオールへに向かうバスに乗り込む時には、家族の前で号泣してしまったほど、友人の家族と過ごしたクリスマスはかけがえのない体験だった。


今も私は考え続けている。8ヵ月の留学経験は私に何をもたらしたのだろうと。意識が変化したことは感じる。でも、一番大切なものは、これから私自身が作っていかなければならないと思う。変化した意識を自分の生活のなかで具現化するまで、私の留学はまだまだ終わらない。



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