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世界的に英語教育の需要が高まると並行して、英語教師の需要も急増している。
特にカナダ人講師の需要は高く、日本に出張するカナダ人講師は多い。
この需要に並行して、カナダ人学生の間で英語教師を目指す人のためプログラムTESOL(Teaching English to Speakers of Other Language)の人気が高くなってきている。

TESOLは、国連のパブリック・インフォメーション局が管理する非営利団体で、本部をアメリカ、バージニア州に置き、現在120各国に約14,000の会員機関をもっている。その目的は、優れた英語を普及させるなかで、語学教育におけるプロフェッショナリズム、質が高くだれでもが参加できる教育、グローバル・コミュニティー、教育を向上させるための共同研究開発、個人の権利とマルチ・カルチャリズムの尊重などを促進することを目的としている。
TESOLは、語学学校、コミュニティー・カレッジ、州立大学で受講可能で、プログラム内容は学校により異なる。

カナダ人受講者と留学生が半々のTESOL

オンタリオ州ロンドン(トロントの南西約180キロに位置する町で、アメリカの国境からも近い)のロンドン・ランゲージ・インスティチュート(London Language Institute)は、地元のウエスタン・オンタリオ大学(University of Western Ontario)の学生と留学生を対象としたTESOLカナダ認定サーティフィケート・プログラムを2004年1月から開始する。
同校の一般英語クラスの受講者はアジア、南米、中央アメリカ、中東、ヨーロッパなど45カ国からの留学生で(日本人受講者数は全体の約5%)、TESOLの人気は韓国人受講者の間で最も高い。
同校のTESOLカナダ認定プログラムは、1ヵ月(100時間)の集中コースで、20時間の実習も行う。受講料は教材も含めて1500ドル。
受講資格は、大学卒業者でTOEFLのスコアは550以上。TOEFLのスコアがない人は同校の査定試験を受けても良い。
なお、同校では海外の語学学校とも提携しており、英語講師を派遣しているが、今後は、TESOLを修了した留学生に、母国の語学学校に就職斡旋を行うことも考えている。

カナダTESOLよりもレベルの高いオンタリオTESOL

オンタリオ州トロントの語学学校コーナーストン・アカデミック・カレッジ(Corner Stone Academic College)では、昨年からTESOLオンタリオ・プログラムをガイドラインに使ったTESOL認定ディプロマ・プログラムを開講している。オンタリオ認定プログラムはカナダTESOLよりもレベルが高いとされているが、受講必要時間が300時間でTESOLカナダ・プログラムよりも2倍以上長く、ネイティブの学生が対象で、外国人が取得することはほぼ不可能に近い。このため同校では、TESOLオンタリオ・プログラムのガイドラインに沿ってプログラムを行うが、修了者には同校のTESOLディプロマを授与している。
プログラムは、3ヵ月(12週間)で、午前中は1ヵ月ごとに授業内容が分けられ、午後は毎月文法を中心に学ぶ。
最初の月は理論中心で、第一言語と第二言語の関係、言語としての英語等をテーマに学ぶ。2ヵ月目は文法、筆記、読解、会話、文法まで、英語教育全般にわたり実際に英語を教える方法を学ぶ。最終月は英語講座の見学と実習を行う。実習期間は通常2週間で、幼児教育など特別な分野を目指す受講者に実習先を用意することもある。
受講資格はTOEFLのスコア500以上の中級・上級者で、TOEFLを受験していない場合は同校の査定試験を受けても良い。受講料は3100ドル。
現在韓国人と日本人受講者が多く、台湾人、中国、ベネズエラからの留学生もいる。

小学校の先生に人気のあるTOEFLなしに受講可能なTESOL

ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのYMCAインターナショナル・カレッジ(YMCA International College)は、教師資格保有者または6ヵ月以上の英語教育経験者を対象に、TESOLスコア不要の3週間TESOLプログラムを行っており、日本、韓国、台湾、コロンビア、メキシコ、中国、アフリカなどから小学校教師が参加している。
Power of Englishと題されるこのプログラムは、クラスあたりの人数設定、生徒に対する動機づけ、教師自身の語学力の向上、クラスに合った教材の探し方や準備など、教師であればだれもがもつ疑問や課題をグローバルな視点でとらえグループで学習するものだ。
クラス参観では、授業のスタイルや技術、一つの課題から次の課題への移行方法、授業の進め方やペースなどを学ぶ。なお、クラスの課外活動では、会話クラブ、YMCAならではの設備(プール、ジム、フィットネス、コート、エアロビなど)を低価格で利用できる。

一般英語コース終了後に受講可能なTESOLプログラム

留学生やカナダに移住した外国人を対象に語学教育を行うブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの語学学校ケスター・グラント・カレッジ(Kester Grant College)は、同校のESLコース修了者を対象に、English + TESOLプログラムを行っている。受講資格はESLコースのAdvanced 2(上級2)レベルの英語力があることで、レベルに達していない場合はESLコースを続行して受講することができる。プログラムは100時間で、フルタイムの場合は4週間、パートタイムの場合は夜間クラスを含め3ヵ月以内に100時間受講すれば良い。加えて通信教育もあり、受講料は一般クラスが1050ドル、通信教育が950ドル。 ケスター・グラント・カレッジは、バンクーバー工科大学(BCIT: British Columbia Institute of Technology)の留学生向け語学教育部門を担当している。

小さな町の大学で学ぶTESOL

カナダのニュース誌「マクレーンズ」の大学ランキング、学部主体4年制大学の部門で総合第2位を獲得したアカディア大学(Acadia University)は、ノバ・スコシア州の人口わずか3500の小さな町ウルフビル Wolfville(ハリファックスへ車で一時間)にある。小規模ながらも「質」と「革新性」で第一位に選ばれた学校で、TOEFL550以上、学位・学士号取得者、またはそれに相当する資格をもった人を対象に、夏季TESOLプログラムを行っている。留学生の割合はわずか10%と低いのが特徴で、カナダの小都市独特のフレンドリーな環境で留学が楽しめる。

実力派なら目指したいキャリア・アップ留学

職場で通用する技術をマスターするのが、専門学校や語学学校のVocational Programと呼ばれる職業コースだ。文字通り英語圏で就職するための技術を身につけるプログラムなため留学生の数はひじょうに少ないが、留学生を受け入れる専門学校や職業コースを開講する語学学校も多く、国際市場で通用する技術と英語力を修得してキャリア・アップしたい人には格好だ。
受講資格は高校卒業者で、英語力はTOEFL500以上。英語力が不足している場合は、語学学校で英語力をアップしてから入学しても良い。専門学校のなかには留学生用に語学学校と提携している例も多い。

専門学校の種類と特徴

専門学校には、オフィス業務を習得するためのキャリア・カレッジ、貿易、マネージメント、会社経営などを学ぶビジネス・スクール、ウェブ・デザインやプログラミングを学ぶコンピューター・スクール、特殊技術や職業訓練を基本目的とするボケーショナル・スクールがあり、高等学校から語学学校や専門学校をすべて含んだ学校もある。ボケーショナル・スクールの教科種類は旅行、ホテル、レストラン、介護、ソーシャル・ワーカー、メイクアップ、モデル、看護士、美容、料理、音楽、美術、教師、児童教育、通訳、映像、アニメーション、スキーやスノーボードのインストラクターなどとひじょうに幅が広い。プログラムに企業実習が含まれているケースも多く、卒業後に1年間の就労ビザを申請できるコースもあるため、日本帰国後の就職活動に即役立つ。

有給で実習が可能なコミュニティー・カレッジ

ブリティッシュ・コロンビア州を代表する専門学校の一つで、TESOLその他の英語教育も行うバンクーバー・コミュニティー・カレッジ(Vancouver Community College)は、留学生を対象に幅広い種類の職業プログラムを行っている。実習も充実し、入学と同時に就労ビザも取得できるのが特徴だ(入学を許可された辞典で併せて就労ビザが発行される)。
例として人気が高いホスピテリティー・マネージメント・ディプロマ2年コースを挙げると、受講資格は1000時間以上の職場経験をもつ高校卒業者で、TOEFL550以上(または同校のテストでCからC+)。また入学試験には英語のほかに英文500ワードのエッセイも提出しなくてはならない。
コースは4期から成り、内容はパブリック・スピーキング、会計、ビジネス、フード・プロダクション、コンピューター、人材管理、マーケティング、レストラン経営、フード・コスト管理、雇用管理、経営技術、経済学、コンベンション管理、キッチン・オペレーション、商法、実習、経営シミュレーションなど多岐にわたる。
第一期終了時にコーオプ・エデュケーションと呼ばれる自習に参加を申し込むことが可能で、有給で働くことができる。また、卒業後も続行して働きたい場合に学校のサポートを得て就労ビザを延長することも可能だ。受講料は2年間で17,600ドル。

ハンズオン学習で国際派デザイナーを養成

バンクーバーのロイヤル・オーク・カレッジは、留学生とカナダ人学生を対象に、国際的なセンスと広い視野をもったデザイナーの養成を行っている。授業だけでなく課外活動やカレッジ・ライフのすべてにおいて自立性、国際性、実践的機能の構築を3本の柱とした教育方針で、講師はすべて現役のプロのデザイナー。教室はスタジオと呼ばれ、明るく広々として最新設備をそろえている。 プログラムには、レジデンシャル・インテリア・デザイン、コマーシャル・インテリア・デザイン、グラフィック・デザインがあり、1年(サーティフィケート)と2年(ディプロマ)コースがある。1年3期制で、4月または9月に入学が可能。受講資格は高校卒業者で18歳以上。TOEFLは480以上。
授業は、ハンズオン実習を主体とし、一クラス生徒数は最大16人。受講生は日本人、韓国人、台湾人、メキシコ人、イラン人、サウジアラビア人、カナダ人と国際色豊かで、約15%が日本人となっている。受講料はレジデンシャルとコマーシャル・インテリア・デザインが6300ドル、グラフィック・デザインが6900ドル。

コンピューター関連専門のキャリア留学

バンクーバーのコーポレート・コミュニケーション・トレーニング・カレッジ(Corporate Communications Training College)は、コンピューター技術に焦点を絞ったキャリア・アップ・プログラムを行っている。プログラムには以下の5種類があり、すべてサーティフィケート・プログラムだ。受講資格は高校卒業者で19歳以上。TOEFL500、TOEIC700前後の英語力が必要だが、入学テストはない。
コース開始時:1月、3月、6月、7月、10月、12月で、コースの期間は12週間から24週間。実習は受講者の経歴、コース終了時の成績、英語力、企業の面接で決定する。実習期間は実習先の企業により異なるが一般的には3ヵ月。

  1. コンピュータライズド・ビジネス・マーケティング&セールス
    マーケティングとセールスにおけるプランニング、マネージング、サポート業務等を総括的に習う。コンピュータ化した現代のオフィスで、セールスとマーケティング・スペシャリストとして働くための技術を習得する。 300時間:12週間

  2. 印刷媒体とウェブ用デジタル・プロダクション
    資料や文書等、デジタル・プロダクション作成に必要なすべての技術を習得。 300時間:12週間

  3. インフォメーション・テクノロジー・システム
    コンピューター・ハードウエア、オペレーティング・システム、アプリケーション・ソフトウエア、ネットワーキング、インター・ネットワーキング、データベース・アプリケーション等、IT部門の専門家となるための技術と知識を習得。 600時間:24週間

  4. ウェブ・デザイン&パブリッシング
    ウェブページ制作に関するすべての技術を習得。 600時間:24週間

  5. ウェブ・プログラミング&デベロップメント
    電子商取引とインフォメーション・ウェブサイトをプログラムし開発するために必要なコンセプト、技術、知識を修得。 600時間:24週間

ビジネス・キャリア養成学校

ブリティッシュ・コロンビア州のキャリア養成学校の草分け的存在であるバンクーバー・キャリア・カレッジ(Vancouver Career College)は、バンクーバー地域に7つのキャンパスをもち、ビジネス・コース、ヘルスケア・コース、ハイテク・コースを3つの大きな柱とした教育を行っている。
ビジネス・コースは、一般的な経営、総務、電子商取引、旅行業ディプロマ・コース、TESOL・コースなどがある。ヘルスケア・コースはコミュニティー・ヘルスケア、医療事務、薬剤師助手などで、ハイテク・コースには、コンピューター・グラフィック、ウェブデザイン、プログラミングなどがあり、希望するコースに合わせて適性テストも行っている。講師陣には経営者、企業主、現役で活躍している管理職などがいるため実践的な教育が特徴で、大多数のコースには実習も含まれている。
コースは3ヵ月のサーティフィケート・コースから、6ヵ月、1年までのディプロマ・コースがあり、授業料は1ヵ月1200ドル前後。
入学に必要な英語力はTOEFL480で、これに満たない場合は同校が経営する英会話学校で語学力を養ってから入学することになる。この場合、英会話学校とバンクーバー・キャリア・カレッジの両方の授業料が割り引きになる。
受講者の平均年齢は24歳から25歳で、全生徒数1200人のうち日本人留学生が全体の6%から10%を占めている。留学生の間では、貿易、マーケティング、旅行業、ウエブデザインなどのコースの人気が常に高いが、最近はヘルスケア・コースの人気が出だしている。これは、医療福祉先進国であるカナダで学ぶことが日本での就職に役立つからで、卒業生がカナダ国内の日系施設からスカウトされるケースもある。