日本人とルーツを分かつファースト・ネーションズ紀元前3万年、アジアとアメリカ大陸が地続きだったころ、アジア民族がベーリング海峡を渡り北米大陸にやって来た。北極に近い所に留まった民族は現在のイヌイット(エスキモー)になり、南下した民族がファースト・ネーションズ(インディアン)に、さらに南下した人達たちがインカ帝国を作った人達になったと言われている。ここまでは良く知られた話だが、蒙古来襲(文永の役、弘安の役)に参加した中国兵士が、嵐に遭って漂流してカナダに流れ着いたり、日本人の漁師が漂流して流れ着き、ファースト・ネーションズと交わってきたことはあまり知られていない。中国人や日本人と交わったファースト・ネーションズは、それぞれ中国系、日本系と呼ばれる部族となり、自分のルーツである中国や日本に対して今も親近感を強くもっている。(日本系の部族には、現在も彼らの使う言葉のなかに日本語(例:アシ<足>、ハナ<花>)が残っている)。 ところで西部劇でインディアンが車座になってパイプを回し飲みするシーンが出てくるが、この時、彼らは世界の4つの方角が平和であるように祈る。この4つの方角とは、白人、黒人、黄色人種、インディアンを表しているという。このようにファースト・ネーションズは、国際観が豊かな平和な民族だ。また、物質文化が世界を支配するなかで、人間が自然の一部であると考える彼らの生き方には学ぶ点が多い。カナダに来たら、お土産にミニチュアのトーテン・ポールやカウチン・セーターを買うだけでなく、ファースト・ネーションズの伝説や文化に触れてみよう。 蘇るかバッファロー絶滅の危機にあるバッファロー(野牛)を大平原に蘇(よみがえ)らそうと、サスカチュワン州に農場をもつピーター・ブタラさんが、同州内にバッファローの保護地として1600万坪の土地を寄付した。この寄付により、アメリカ、モンタナ州で保護されていた50頭の100%純粋なバッファローが、この保護区に放たれることになった。バッファローが昔のように大平原を歩く姿を見るのが、ブタラさんの20年来の夢だった。 国内の時差と外国との時差カナダには6つのタイムゾーンがあり、東と西では4時間半の時差がある。トロントとバンクーバーの時差は3時間で、この3時間の差は大きい。トロントとバンクーバーに事務所をもつ会社は多いが、時差のためにお互いがコンタクトできる時間は1日のうち5時間しかない。また、バンクーバーの金融関係に勤める人は、トロント時間に合わせて朝6時から仕事を始めなければならない。その上、日本とも取引をする会社であれば、夕方の6時か7時以降まで帰れないため、1日12時間勤務だ。電子メールで瞬間的に世界中とコミュニケートできる今日だが、時差だけは絶対解決できない問題だ。 <国際標準時間を作ったのはだれ?> |