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カナダには、実践的な知識と技術を学び、社会に通用する資格を取得する職業コースをそろえた専門学校が多くある。最近は、就職や転職を目標にこうした職業コースを受講する留学生も増え、学校側の留学生の受け入れ態勢もひじょうに充実している。
専門学校は一般にカレッジと呼ばれ、高等学校を含んだ大規模なものから、生徒総数が100人に満たない小規模なものまで幅が広い。職業コースは高校卒業者が対象で、TOEFL500以上が必要になる学校が多いが、語学学校とタイアップして英語力が不足している生徒に対応している学校もある。

専門学校の種類と特徴

専門学校には、オフィス業務を習得するためのキャリア・カレッジ、貿易、マネージメント、会社経営などを学ぶビジネス・スクール、ウェブ・デザインやプログラミングを学ぶコンピューター・スクール、特殊技術や職業訓練を基本目的とするボケーショナル・スクールがあり、ボケーショナル・スクールの教科科目は、 旅行、ホテル、レストラン、介護、ソーシャル・ワーカー、メイクアップ、モデル、看護士、美容、料理、音楽、美術、教師、児童教育、通訳、映像、アニメーション、スキーやスノーボードのインストラクターなどとひじょうに幅が広い。
プログラムに企業実習が含まれているケースも多く、卒業後に1年間の就労ビザを申請できるコースもあるため、日本帰国後の就職活動に即役立つので、キャリア・アップを希望する人に最適だ。

バンクーバー・コミュニティー・カレッジ
Vancouver Community College

ブリティッシュ・コロンビア州を代表する専門学校の一つで、ESLコースから、英語教師用TESOLプログラム、高校修了プログラム、応用デザインコース、音楽修了コース、旅行業経営コースなど、幅広い種類の職業プログラムがそろっている。
VCCで人気が高いホスピテリティー・マネージメント・ディプロマと呼ばれる2年間コースは、6ヵ月の職場経験をもつ人が対象で、受講資格はTOEFL550以上(または同校のテストでCからC+)。また入学試験には英語のほかに英文500ワードのエッセイも提出しなくてはならない。
コースは4期から成り、内容はパブリック・スピーキング、会計、ビジネス、フード・プロダクション、コンピューター、人材管理、マーケティング、レストラン経営、フード・コスト管理、雇用管理、経営技術、経済学、コンベンション管理、キッチン・オペレーション、商法、実習、経営シミュレーションなど多岐にわたる。
第一期終了時にコープ・エデュケーションと呼ばれる実習に参加を申し込むことが可能で、有給で働くことができる。また、卒業後も続行して働きたい場合に学校のサポートを得て就労ビザを延長することも可能だ。

サザン・アルバータ・インスティチュート・オブ・テクノロジー
Southern Alberta Institute of Technology (SAIT)

アルバータ州カルガリーにあるカレッジで、留学生用に7つの分野で100以上のプログラムをそろえている。

  • 英語基礎コース
  • ビジネス&ツーリズム(会計、ビジネス、リーガル&オフィス、ビジネス・コンピュータースキル、クッキング、ホテル&レストラン・マネージメント、トラベル・カウンセリング)
  • 建築(建築、CAD、図面、大工、電気配線、塗装、空調、土木)
  • エネルギー(機械技術、応用地球物理学、応用地理学、石油・天然ガス製造会計、応用石油エンジニアリング)
  • IT&コミュニケーション・テクノロジー(映画、TV、演劇、ラジオ、コミュニケーション、コンピューター、マルチメディア、デジタル・グラフィック、ソフトウェア・プログラミング、ハードウェア・ネットワーク、写真)
  • 製造(メカトロニクス、機械工、機械工学、溶接)
  • 交通(滑空力学、航空機整備、自動車整備、鉄道管制)

アクセスカナダ・ビジネスカレッジ
Access Canada Business College

オンタリオ州トロントにある近代的な設備をもった中規模のカレッジで、アメリカのミッドウエスト・ミズーリ大学と提携している。
留学生用にESLを始め、会計、ビジネス、コンピューター・スタディー、グラフィック・デザイン、オフィス管理、ヘルス・サイエンス、ホスピタリティー等のディプロマ・コースをそろえている。
クラスは少人数制で、イタリア、ドイツ、ポルトガル、アラブ諸国などからの留学生が多い。

クィーンズ・カレッジ
Queen's College

オンタリオ州のトロントに近いミシサガにある、高校を併設したカレッジで、20以上のディプロマあるいはサーティフィケートが取得できるプログラムを行っている。主な学科は、アート、デザイン、映像、ファッション、ツーリズム、ビジネス、法律、教育、ヘルスケアなど。講師の質は高く、卒業生には就職のアシストも行っている。また、留学生用にESL部門もあり、プログラムの種類は幅が広い。高校も留学生を受け入れているため、上記の分野で将来就職を希望する中学卒業生にも適している。

ニュー・イメージ・スクール・オブ・ファイン・アーツ
New Image School of Fine Arts

ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーにある小規模な学校で、俳優やモデルを目指す人を対象に、2ヵ月から6ヵ月のプログラムを行っている。

  • フルタイムコース(アクティング・ディプロマ・レベル1&2、メイクアップ・ディプロマ、エアー・ブラッシング)
  • パートタイムコース(オン・カメラ・アクティング、舞台演劇基礎、音声&ボディー・テクニック、シーン・スタディー、オーディション・テクニック、パーソナル・デベロップメント、プロフェッショナル・モデリング、メイクアップ、ヘアースタイル)

QGIインスティチュート・オブ・テクノロジー
QGI Institute of Technology

オンタリオ州トロントに拠点を置くIT専門学校。オンタリオ州訓練・カレッジ/大学教育省に登録されており、コンピュータ、IT業界から当校のディプロマ(資格認定証)を認められている。さらにアメリカの大学からは同等の学位を与える事を認可されている。キャンパスはカナダをはじめアメリカ、中国、日本、韓国に点在し、さらにその他の国々にも開校される予定。
コース内容はESL、ITプログラム、ISPスペシャリスト・コース、実践ウェブデザインなどで、ITディプロマ、コンピューター学士号・修士号、ビジネス学士号・修士号が取得できる。


銀行に約10年間勤務していた安部友子さんは、事務職を続けることに迷いを覚え、キャリア・アップする決心をしてバンクーバーに留学した。
留学先としてアメリカとイギリスも考えたが、単なる語学留学ではなく、子供に英語を教えるためのコースも受講したいと考えて調べたところ、バンクーバーに該当する学校が見つかった。アメリカよりも物価が安いことも、カナダを選んだ理由の一つだった。

安部さんは、語学学校で3ヵ月間ESLコースを受講し、その後Training for Teaching Children English(TTC)と呼ばれる3ヵ月の英語教師用コースを受講してディプロマを取得。一応、当初の留学目的は達成したが、期待していたほど英語力が伸びなかったように思い、さらに英語と専門技術を学べる学校に入学することを決心。現在は、同じバンクーバーにあるアービュータス・カレッジに通い、ビジネス・プロフェッショナル・コースを受講している。

アービュータス・カレッジは、ビジネス、コミュニケーション、コンピューターの3部門をもつ小規模な専門学校で、プログラムには職場実習も含まれている。安部さんが受講しているコースは20ヵ月のディプロマ・コースで、修了するとブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアのロイヤルロード大学商学部の3年に編入することもできる。ロイヤルロード大学を卒業した場合は学士号が取得でき、さらに1年間の就労ビザも取得できるので、カナダで働くことも可能だ。ビジネスコースは、ビジネス・マネージメント、マーケティング、インターナショナル・トレードが必須科目で、それ以外にもオプションでコンピューター・ネットワーキングなどのコースを受講することができる。講師は、業界で実際に活躍していた人ばかりで、講義や仮想プロジェクトがひじょうに実践的だ。受講者は自分でビジネスを始めることを考えている人や、キャリア・アップにもう一度勉強し直したい人、大学を休学して受講している学生などで、日本を始め、韓国、中国、台湾、ベトナム、イタリア、フィンランドなどからの留学生が多い。

安部さんは、すでに2ヵ月のインターンシップも行った。日本の金融機関で働いた経験から同様の職場を希望したところ、大手の投資会社で働くことができた。職業柄、顧客と対応するにはライセンスが必要となるため、担当した仕事は事務関係に絞られたものの、北米の職場を体験したことはひじょうに勉強になった。
また、アービュータス・カレッジの利点の一つとして安部さんは、一クラスの受講者数が15人前後と少なく、このため授業中に頻繁に質問することもでき、講師との人間関係が密にもてることを挙げた。
安部さんは、ロイヤルロード大学を卒業した後は、カナダで1年間働き、その経験を生かして、帰国後は外資系の金融会社に就職することを希望している。

安部友子さん
武蔵野女子大学短期大学部英語科を卒業後、銀行の外国為替部で5年、外資系の銀行4年間勤務。2002年夏に渡加。

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