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伊藤聡美
(いとうさとみ)

立命館大学
文学部2年生

将来、日本と世界の文化の架け橋になるような仕事に就きたい。そのために自分の視野を広げるにはどうしたらいいのだろう・・・。
日本の大学での授業、そして人間関係を通して、真剣にそう考えるようになり、立命館・UBCジョイントプログラム参加を決意したのが去年の冬だった。それから早くも1年が経とうとしているなんて、本当に驚くばかりだ。UBCでの生活は毎日がとても充実していて、飽きることがない。そのおかげで毎日、目が回るほど忙しい。

インドの友人の部屋でカレーをご馳走になった。左が伊藤さん。

カナダは世界でも稀に見る移民に寛容な国であり、国の政策の一つとしてマルチ・カルチャリズム(多文化主義)を導入していることでも知られている。そのような、日本とはまったく異なるカナダの環境のなかで、世界各国から集まった人々と幅広い人脈を築き、文化交流をすることが、カナダに来る前に立てた大きな目標だった。そのためにUBCに来て、早速参加したのがインターナショナル・ピア(Peer) プログラムだ。ピア・プログラムは留学生を対象にUBCのインターナショナル・ハウスが提供しているもので、課外活動を通してカナダの文化はもちろん、互いの文化・社会に対する理解を深めることを目的としている。ピア・プログラムの活動では、インド、マレーシア、韓国、中国、フランスなど、世界各国からUBCに学びに来ている生徒たちと、それぞれの国の伝統料理を持ち寄ってのポットラック・パーティーや、映画鑑賞を通して親しくなることができた。また、他国の同世代の人々が、どのような視点で世界を見つめているのかといった、日本にいてはなかなか聞くことのできない、彼らの声をじかに聞くことができた。

例えば、中国系カナディアンが、「自分は中国人であるにもかかわらず、幼少の頃カナダに移民してきたため、ほとんど中国語が話せない。英語が十分に理解できない両親に自分の思いを伝える事ができない」と話してくれた時には、今まで見ることのできなかったカナダの一面を見た思いだった。また、フランス人の友人は、いつも自分がフランス人であるということを強く意識しながら、物事を考えていると言っていた。
こうした話を聞くなかで、私は、日本人である自分自身のアイデンティティーについても考えさせられた。今までの私は、単一民族国家である日本に対し、否定的なイメージを抱いていたが、ピア・プログラムの参加者から話を聞いたことで、日本人である私たちが、日本の文化や言語を日本で勉強できることの素晴らしさを再確認することができた。

現在、私はUBCの寮で5名のルームメイトと共同生活している。カナダ人のミリアムはアジアの歴史と文化にとても興味をもっており、現在、中国語、アジアの歴史・宗教・美術について勉強中だ。日本の宗教観については私よりも詳しいので驚きだ。香港から移民してきたシンシアはとてもユニークな物の考え方をする。私よりも2歳年下なのに、自分の世界観をしっかりもっている。キャルシーはカナダ人。彼女の作曲と作詞の才能はすごい。ギターに合わせて歌う声も相当のものだ。もう一人のルームメイトは、一体何者なのか謎である。彼女が私達の部屋に入って来た日以来、数えるほどしか部屋に帰ってきてないのだ。

よく、「6人で生活するのは大変でしょう?」と聞かれるが、嘘のように何の問題もなく今までやってきた。初めは、同年代の人々と共同生活をした経験がなかったので、うまくやっていけるのか本当に不安だったのだが、今ではそんな不安はどこへやら。毎日、教授のことから、宿題、友人、そしてたまには恋の話など、たわいもないことを話して、笑ったり、怒ったり、そして悲しんだりできるルームメイトを、私は本当の家族のように感じている。

最後に、立命館大学・立命館アジア太平洋大学から、立命館・UBCジョイントプログラムに参加している99名の友人について話したい。
団体で留学することについては、互いに甘えてしまい、英語の勉強にならないなど様々な問題点が指摘されている。しかし、団体で留学することによるデメリットよりも、メリットの方がはるかに大きい気がしてならない。互いに助けあい、そして刺激し合える仲間がいるからこそ、私は勉学の面だけではなく、自分が人間的に成長できるのではないかと思っている。
残された留学生活もあと半年となったが、これからも初心を忘れず、日本で立てた目標を胸に一日、一日を大切にしながら、将来の夢に向かって頑張っていこうと思っている。

立命館・UBCジョイント・プログラム

立命館大学とUBCが共同で開発したカリキュラムに基づき、学力と語学力の向上とともに、カナダでの生活体験を通して国際人として成長することを目指したプログラム。立命館大学と立命館アジア太平洋大学の学生100名が、毎年UBCに1年間留学し、言語教育科目や環太平洋研究、異文化間コミュニケーション等を受講している。

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