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国際線パイロットを目指して留学

辻 賢志郎(つじ・けんしろう)君
大阪・守口市出身17歳
ブリティッシュ・コロンビア州ウエスト・バンクーバー Sentinel Secondary High School在学中

通学するSentinel Secondaryで

国際線のパイロットになる夢をもつ賢志郎君は、昨年7月に1年間の予定で渡加した。パイロットを目指すようになったのは、小学校2年生の時に、タイ最大の島プーケットへ家族旅行に行ったことが発端だ。初めて乗ったジャンボ機に感動し、飛行機が大好きになって以来、パイロット志望となった。中学生になった頃、留学を考え始め、「国際線のパイロットになるには英語が重要だ」と思い、高校進学と同時に英会話スクールへ週3回通い始めた。

高校2年になり留学の手続きを進めたが、在籍していた府立寝屋川高校では明治42年創立以来、1度も海外へ留学した生徒がいない。同校は進学校で、生徒は海外を目指すことなく受験に専念する。賢志郎君は留学第1号となったが、前例がないため、留学終了後に復学する学年は、こちらでの成績次第ということになっている。

最初の1ヵ月は語学学校に在籍し9月の始業に備えた。8月に、ウエスト・バンクーバー教育委員会の留学生向けオリエンテーションに参加し、9月からその教育委員会の管轄下にあるSentinel Secondary High Schoolに通学している。ウエスト・バンクーバーは交換留学に力を入れている区域で、学力も高い。

珍事続発のホームステイ体験

国際的な環境で、各国の訛りのある英語にも慣れた。将来、管制塔との交信に役立つに違いない(中央が賢志郎君)

最初のホームステイ先には15歳の息子がおり、毎晩賢志郎君の部屋に来ては深夜を過ぎるまでいろいろ話をした。やがて、その少年が賢志郎君に好意以上のものを抱いていることが判明。しかし賢志郎君は動じず、少年にも普通に接した。1ヵ月の滞在だったが、希少な体験として良い思い出になった。

次のステイ先は、母と子供2人のインド系の家族だった。ホストファザーはシアトルへ単身赴任している。
「本物のカレーが食べられる!」と喜んだものの、食事は毎日ピザ1枚とジュース。食事の改善を要求したら、チキンカレーが出てきた。「めちゃくちゃおいしかった」カレーだが、翌日にはまたピザに戻ってしまう。そして間もなく、賢志郎君を置いて2週間近くも親子でシアトルに行ってしまった。代わりに誰かが来る様子もない。空っぽの冷蔵庫を前に途方に暮れた賢志郎君だが、パスタを見つけて自分で調理し空腹をしのいだ。料理ができたことが幸いしたが、このステイ先を後にした。

3度目の正直、ほのぼのステイ

現在のステイ先は、賢志郎君が初めての留学生だという中国系のおばあさんと2人きり。最初の日は中華レストランに連れて行ってくれ感激した。その後もわざわざ日本米を買ってきてくれ、毎日おいしい中華料理を作ってくれる。孫のようにかわいがってくれるおばあさんに、なるべく負担をかけないようしている。

日本では陸上部の中距離選手だった賢志郎君。時には日本から持参したランニングシューズを履き、遠く離れた市の陸上トラックまではるばる走りに行くこともある。今年、カナダのマラソンの英雄テリー・フォックスの記念1ドルコインが発行されたのだが、賢志郎君は流通し始めたそのコインを、使わずに大切に保管している。

「機会があればまた訪れたい」というほど、オーロラには感銘を受けた。気温はマイナス35℃前後。ここまで低いと寒いというより痛い。デジカメも凍り付いて機能しなかった。

苦労が多い分、勉強は楽しい

学校では最初、単語力が足りなくて苦労したが、「今はもう大丈夫」と頼もしい。授業はESL関係を4教科とっている他、数学、地学、体育、料理を選択。料理クラスは男女問わず人気があり、男子が半数を占めている。地学など、理科系の科目は専門用語が多くて大変だが、これも「苦労する分、楽しい」。各教科それぞれ宿題も多い。ESL以外は一般生徒に向けたものなので、留学生は宿題が追いつかないこともある。賢志郎君も、今は間に合うようになったが、初めは厳しかったという。

オーロラに感激!北端への旅

仲の良い友達は4人。韓国、中国、イラン、オーストラリアと、出身国はバラバラだ。その仲間と、毎週土曜日の夕方には決まってジムに行くことにしている。映画に行ったり、ダウンタウンへ繰り出したりすることもある。日本人の友達3人と、オーロラで有名なカナダ北部のイエローナイフへ行ったのは、留学生活の1番の思い出。3日間のうち、2回オーロラを見ることができた。空に揺れるオーロラを見た時は、今までに無い衝撃を受けた。

賢志郎君は夏の初めに帰国する。 充実して楽しかった留学生活だが、未練はない。大阪外語大、航空大と、次なる目標があるからだ。そしていつの日か、自分の操縦するジャンボ機でバンクーバーへ戻って来るのが夢である。